ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

アメリカ発の破壊力

『世界金融崩壊 七つの罪』 (東谷暁、 2009)

 

2007年にサブプライム問題が起こり、アメリカから全世界へと 被害は広がりました。

真犯人は 誰なのか?  

その中で 「病原菌が存在した 」として書かれている箇所がありました。

 

〈以下一部抜粋・要約〉

 

サブプライム問題には 病原菌も存在した

 

東アジアの金融危機と比べると 、今回のアメリカを中心とする 世界金融危機は 、はるかに分かりやすい 。

病原体が存在することは 明瞭だからだ。

 

 ただし 病原体の 感染経路を作っていったのは 、世界の隅々まで 到達している 情報ネットワークと 金融ネットワークである。 やや模式的に描くと 次のようになる。

 

まず、 世界的な住宅バブルを背景にして アメリカ全土でも 住宅バブルが生まれた。

 

この住宅バブルを加速したのは 住宅ローンを証券化した 住宅ローン担保証券( MBS )で 、これが住宅という土地に縛り付けられている 資産を 、金融市場ネットで 売買できる 投機の対象に 転換した。

 

もちろん、 売買の単位が日本円で 1億円以上と高額だから、 購入するのは アメリカを中心とする 世界の金融機関や投資家だった。

 

ファニーメイや フレディマックなど 、政府系機関が発行する MBS の 売買だけでは飽き足らない 金融関係者は、 低所得者向けの住宅ローンを 同じように 証券化することを思いつき 、変動金利で 危ういローンを組んだ。

 これがサブプライムローンである。

 

さらにアメリカの金融関係者は 、こうした MBS を集めて リスクを組み替えた 債務担保証券 (CDO)の売買を 試みるようになる。

 

こうした MBS や CDOの取引を行う金融機関は 、何か起こった時のために 様々なデリバティブ (金融派生商品)でリスクを回避しようとした。

 

この金融商品も 良いビジネスになったので 信用保証会社や 巨大な保険会社が乗り出して、 大々的に 保証のためのデリバティブを売買し 、自分自身も巨大な利益をあげた。

 

ここまでは 今回の金融バブルが拡大するプロセスだが 、いったんアメリカの金融機関が 扱っていたサブプライム関連の MBS が危ないと分かると金融市場は 急激に逆転して 収縮のプロセスに入った。

 

エボラ・ウイルスなみの速度で 収縮の感染は広がり 、そのウイルスがどこにあるのかも分からなかった 。恐怖は 情報ネットを通じて 世界に感染していった。

 

MBS が駄目だとなると CDO が疑われ 、CDO がダメだとなると 保険会社の デリバティブが信用を失った。

 

 こうして金融ネットは遮断されたが 、いっぽう情報ネットは高まるリスクの 恐怖を増幅させて 世界に感染させていった。

 

 リスクを回避できるはずの デリバティブが 何の効果もないと分かってしまえば 、あとは金融市場が 全体的に崩壊するだけである。





こうみると振り回されるのは金融とは縁のないような庶民ですよね。(チキハ)

しかし自分の身を守ることは、

自分に責任があると考えることもできます。

 

低所得者が家を持てるという夢が、かなう仕組みが出来た。

住宅価格は上がり続けると、誰もが思っていました。

 

そして警告の声はかき消されていました。

 

いま、またアメリカは株が史上最高値をつけていますが、

高値で買った物の値段が下がるときがきます。

そのとき私たちも無傷ではすまないと思われます。

 

世界金融崩壊 七つの罪 (PHP新書)

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