ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

その16 進化する人

『思考のパワー 』(ブルース・リプトン、 2014)

 

アメリカの細胞生物学者です。著書『 思考のすごい力』は 2009年に 五井平和賞を受賞しています。

 

表紙の裏にこう書いてあります。

「人間をコントロールしているのは、遺伝子でも運命でもない。

心・思考・信念である」という科学的な真実。

 

科学って誰がやってもそうなるってこと、例えば1+1=2ってやつですよね!

細胞には「魂」があると書いてあるんですよ!

 

「大事なのは 、フィールドを作り出すすべての細胞の 「魂」には素晴らしい力があると気づくことだ 。

そして今度はそれに 誘発された 私たち人間が 健全な「人間性」を作り上げていく 声に きちんと耳を傾けられるかどうかにかかっている。」

 

魂の声に耳をかたむけること、かなり難しそうです。

 

そして少数の独創的なリーダーが、進むべき進化の方向を示しています。

 

「われ思うゆえに宇宙あり」とは、「私たち自身の姿は、こうなりたいと祈った結果の答えなのだ」ということで、

頭の中の常識がガクンとくずれるような感覚を覚えました。

 

私たちの想像力がまずしいのか、豊かなのか。今の私は(あなたは)どうなりたいと祈るのでしょう。

 

〈以下一部抜粋要約〉




利己的な遺伝子

 

 人間は遺伝子が繁栄するために遺伝子を運ぶものとして作られたと言う ドーキンスの理論は、 生物を遺伝子を運ぶ 命令を乗せた単なる乗り物として捉えた 、まさに還元主義的概念である。

 

けれども なぜ遺伝子は利己的なのだろうか ?ドーキンスによれば 遺伝子は遺伝子が住みついている生体やその種の事は何も考えずに生き残ろうとするという。

 

 また自然淘汰は人をだましたり 利用したりする人に有利に働くと、ドーキンスは信じていた。

 

宇宙が機械のようだったら

 

紙の上に鉄くずがただあちこちに散らかった状態と 、目には見えないが磁気に影響されているのとでは どう違って見えるかを頭に描いてみよう 。

それと同じように 木や犬や私たち人間の中で 単細胞生物がフィールドの中でエレガントなほどまとまって、 働いている可能性はないのだろうか ?

すでにここまで見てきたように、 物理学では人間も細胞も、 全ての物質はフィールドに支配されていると認識されている。

 それでは一体何がそのフィールドを支配しているのだろう?

おそらく量子物理学がずっと主張してきたように 、デカルトの表現を借りれば 「考えるゆえに宇宙がある」ということになるだろう。

 つまり、遺伝的な特徴よりも 「思考」が現実に現れるのだとお分かりいただけると思う。

 

残念だが 神には意味がないという教義を崇拝するのは、 全知全能の神の存在を崇拝するのと同じくらいに意味がない。

 

 いずれにしろ、 私たちの手の届かないものに対しては全く非力なのだ。

 

ランダムな中にもプランがある

 

生体はどのようにも適応でき、 遺伝子コードをも書き換えられるのだ 。

だから、ラマルクが思い描いたように、 進化のプロセスは取り巻く環境に反応して適応し 、いかに変化できるかという能力と 密接な関係にある。



インターネットによって すぐに広まる社会的突然変異

 

科学でいう物質主義が 物質の領域にあるものに注目しても、粒子をコントロールしているのは形のないフィールドだ。

 

  科学も宗教も 同じように 生命を形作る要素としては、 目に見えない力を使っているとみなす。

 

 世界に対して健全な見識を持つには、 目に見える物質と、 見えないフィールドの 両方を意識するべきで、 そうでなければ 現実の半分しか 見ていないことになる。

 また 、宇宙に存在するものは、 互いに関連しあっていることもわかった 。

誰かを犠牲にしても進化をもたらしはしない。

 そして「適者生存」で生き残ろうとすると、 誰かは生き残るかもしれないが、 たとえ全体を犠牲にしてある人が生き残っても、 結局その人を含めた全体が全滅することになる。

 

 私たちも ストレスに満ちた環境から 素早く学んで 環境がもたらす脅威に直面しても 生き残れる実行可能な解決策を 見つけ出すまで、

 さまざまなアイデアを出しながら 信念や行動を変化させて、 適用性突然変異をしなくてはならない。




新しい世界を作る

 

良くも悪くも現在の運命は終わりを告げようとしている。

 

幸い、最先端科学が これまで核となってきた信念を 大幅に修正しようとしているし、

 新しいパラダイムは 人々が新しく より多くの命を 維持できるような変化を 引き起こしてくれるはずだ。

 

 西洋文明が 浮き沈みを経験したのは初めてではない 。

アニミズム、 多神教、 一神教と進んできた 三つの文明が かつて存在しては消え、 今日の科学的物質主義へと 移り変わってきた。

 そして、 私たち人間は さらに進化して前進するのだ。

 

現在 、私たちは 精神的領域と 物質的領域の 間の バランスの取れた地点へ 向かって 急速に進んでいる 。

これは 人間の歴史上 三度目の経験だ 。

そして到達地点が どこになるかは 分岐点でどちらに進むかによるだろう。 

一つは 宗教の原理主義者と 還元主義の科学者が争ってきた これまでと同じような 二元的な世界のままでいるという選択肢だが、

 この道筋では 私たちが 絶滅へと向かうのは明らかだろう。

もう一つは、 二つの相反する両極が 調和する バランスの取れたポイントに戻って、

 お互いの相違点を乗り越え、 これまで争いの原因となっていたものの 両方がうまく機能する要素を加えて 相容れなかった歴史を乗り越え 、

もっと高レベルで 機能する進化を遂げることだ。

 

私たちはどうやってここにたどり着いたのか

 

宇宙科学者によると 物質が現れる前の宇宙は フィールドと呼ばれる 目に見えないお互いにもつれたエネルギーが 命を生み出す空間だった。

 およそ150億年前に起こった ビッグバン後、 エネルギーフィールドが収束し始めて以来、 量子がもつれた状態のままの物質が存在している

 

進化はランダムなものだと主張するダーウィンの理論とは対照的に 、

新しい科学では 進化はそれぞれの生体が より大きな共同体となりながら 適応して生き延びるプロセスが 十分「意図的」であるとする。

 

 それぞれの個体は 、互いに関連しながら 共同体を作り上げて、 ある役割を果たし、 同時に自らも全体から利益を得ているのだ。

 

なぜここにいるのか

 

1972年、 ジェームズ・ラブロックは、 物質的な地球と生物圏は 、相互関係を保つ 原始的な生体と同じシステム 、

つまり生物圏は 生命を維持するために 物質特有なバランスをとり 、

緩衝して、 地球の環境に 規則的に影響を与えているという ガイア説を立てた。

 

 生物は、 食べ、 呼吸し、 老廃物を排泄するという 命を保つために 必要な条件を満たすために 環境を修正する。

 そのため 何らかの変化に対し 環境的なバランスを元に戻し、 調和をもたらす生命活動をする 新しい種が突然変異して 適応し、 進化して 遺伝的なメカニズムをも変化させている。

 

ラブロックが言うように、 生体圏はそれ自体が 大きな生き物であり 世界の全ての細胞レベルの生き物から、 植物 、動物で成り立っている有機体なのだ 。

それぞれの細胞ひとつひとつが意識的に集まって進化し、 認識をさらに拡大し、 その結果 、より進んだ知能を持った人間ができあがった。

 進化の歴史は、 コミュニティを拡大しながら それぞれの認識を 発達させた結果なのだ。

 

ここにいてなすべきことは何なのか

 

私たち人間は、 自分のため、 他人のため、 そして地球のために 最善を尽くせばより良い生活が送れるはずである。

 具体的なヒント、もしくはモデルともいえるものは 私たちの内側にある。

 なんと50兆個もある細胞が 共同体として機能し 、

体内の調和を保っているのだ。

 私たち人間は、 その細胞がどんな役割を果たしているかを意識し 理解すれば 、文明に 健康と調和と 祝福をもたらすことができるのだ。



地球という「庭」を再生するには、 まずはその庭の見張り役を 交代させなくてはならないだろう 。

現在までの 思想を守るために 扉の前に立ってきた 科学的物理主義の 思想の任務を 解いて引退させなくてはならない。

 そして、 新しい科学と 古代スピリチュアルの知恵を 融合した パラダイムを進んで迎え入れ 、これまで二極化してきたものを統一し、 全体的 (ホリスティック)な 世界感をもたらすのだ。

 

男性はたんぱく質、女性は脂肪でできている

 

生命や文化活動をさらに詳しく追求していくと 、男性が権力を持った文明は防衛に、 女性が主権を持った文明は 成長と繁殖に重きが置かれていることがわかる。

 

生命の起源は この極性と無極性の 化学物質が 協力できるかどうかにかかっている。

 というのは この二つが共に働いて 生物の基本である 細胞小器官と言われる 細胞膜を作り上げているからだ。

 

細胞膜の 女性の性質を持った脂質は 水の入り込めない領域にコントロール可能な環境 、まずは子宮のような領域を作り出す。

 そこは生命の誕生と発達の場所だ。 けれども同時に、 男性の性質の タンパク質が加わって初めて 生命と生理機能を生み出す。

 

 東西や南北半球の統一に見られるように、 ネイティブアメリカンの伝説に出てくる 男女のバランスの象徴である コンドルや鷹を 草原に取り戻すことが 地球に健康的で 愛と調和に満ちた世界を 取り戻すための第一歩と言えるだろう。

 

心の持つパワー

 

これまで細胞レベルの機能を 深くミクロの世界に入り込んでみてきた 。

さて 今度は世界を広げて マクロの世界に焦点を当てて 自分の周りを囲むものに目を向けてみよう。

 

 エピジェネティック科学では 、体の終わりを生命の終わりとは捉えておらず、 むしろ出発点に過ぎないとする。

 

 そして生きている生物の運命は、 周りを取り囲むものから 伝わってくる情報に直接影響を受ける。

 

そこからその解釈が 体内の生理機能を 司る部分に 信号として伝わり、 体全体を 作り上げている 細胞の 健康と 方向性を決定する 。




アインシュタインが 「フィールドだけが 粒子をつかさどることができる」と強調した。

 

 人間のフィールドとは 心のことで、 粒子とは 体のことだ。

 

 脳は 物質的なメカニズムで 働いているが、 心は それ自体物質ではなく 情報を含む フィールドだ 。

 

心は 私たち生命の 特質を作り出している 第一要素だ。

 そして 私たちが 現実と呼んでいるものは 実際のところ、 想像力が 作り出しているものと いった方が 正確かもしれない。

 

進化という新しい始まりへ

 

人間性が進化すれば 地球が単なる物質的な星ではなく 生きる細胞のようなものだと分かるようになるだろう。

 細胞がその進化を遂げたら何が起こるだろう ?

きっとさらに意識を広げるために 他の進化した細胞と結合し始めるだろう。

 進化を遂げたとたんに、 地球は他の似たような星と結びついて、 意識を広げながら、 私たちが何者なのか 、どんな存在なのか、 私たちが住む 宇宙本来の姿がどういうものなのかと 洞察を深めながら そのプロセスを続けるのだ。

 

大事なのは 、フィールドを作り出すすべての細胞の 「魂」には素晴らしい力があると気づくことだ 。

 

そして今度はそれに 誘発された 私たち人間が 健全な「人間性」を作り上げていく 声に きちんと耳を傾けられるかどうかにかかっている。

 

したがって本当の意味での挑戦は、 それぞれの人が進化をし 、

昔から伝わる教訓に学んで 間違いを繰り返さないようにして、

 一人ひとりが 全てを変えられる進化に 関わっているのを認識することだろう。

 

 私たちは 明るい未来に向かって 地上に天国を実現し 、全ての人間性が 歩むべき橋を 構築しながら生きている 。

これが私たちの 「愛の物語」なのだ 。

それは普遍的であり、 宇宙の物語でもある。

 

思考のパワー---意識の力が細胞を変え、宇宙を変える

思考のパワー---意識の力が細胞を変え、宇宙を変える