ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

イスラム金融

『イスラム金融はなぜ強い 』(吉田悦昭、2008)

 

リーマンショック時に イスラム金融が、救いの手を差し伸べたのは 何かで読みました。

多様な参加者がいることは、ショックの吸収になるようです。

 

今後もそのような役割をはたすのかと、期待しながらネットで検索してみました。

すると 、2015年頃までは成長していたようですが、その後、成長は緩やかになっているということと、リーマン時のダメージは思いのほか大きかったということがわかりました。



<以下一部抜粋・要約>

 

シャリアの概念

 

イスラム金融とは その名の通り イスラムの教えに基づいた金融である。

 

 大きな特徴として述べた 金利の禁止も、 資金使途としては回避される 豚肉 、アルコールなどの 禁忌も、

みなシャリアを遵守しようとするために必要な事項である。

 

シャリアとは何か。

「人間が地上に公正な社会を実現する」ための 「行動規範」である。

もともとは 「水飲み場へ至る道」を意味するが、 転じて 「人のあるべき生き方を示す道」を表す語となった。

 

そして、金融は人々の経済活動にかかわる事項であるため 、ムスリムの行動に関する規範を定めた シャリアの対象となる。

 

 イスラム法と言われることも多いが、 一般に我々が想起する法律よりも 広い範囲をカバーするものである。

 

イスラム金融の イスラム経済的本質

 

結論から言えば、 イスラム金融の本質は、 金利回避、 豚肉・アルコール回避にあるのではなく 、資金を用いて 経済活動を活発化することにこそある。

 

コーランに記されているように、

 経済活動 ・富の蓄積は、 シャリアにおいて 奨励されており、

 金融というツールを用いて それを実現しようというのが、 本来のイスラム金融なのである。

 

リバー(金利 )、ガラル (不明瞭性 )、マイシール(投機性)の排除などは 、

それらを適切な(シャリアに反しない) 形で実現するための脇役的なルール あるいは中間目標なのであり、

 それらを主役と勘違いして 最終目標を忘れてしまうのは適切でない。




私(チキハ)の感想です。 

 

イスラム金融は、「人のあるべき生き方」と 「経済活動の活発化」 両方を目的としています。

 

日本にも昔、「講」という仕組みがあって、相互扶助の金融がありました。利益の追求という点では弱かったようですが「人のあるべき生き方」には沿っていたようです。

 

また逆に私達には何がどうなっているのかわからない金儲けの仕組みがあります。

 

イスラム金融のあり方が私には新鮮に映りました。

違和感をおぼえながらもそういうものだ、と受け入れてしまっていたことを角度を変えて見ることができました。

 

 

イスラム金融はなぜ強い (光文社新書)

イスラム金融はなぜ強い (光文社新書)

  • 作者:吉田 悦章
  • 発売日: 2014/08/15
  • メディア: Kindle版
 

 

 

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