『GNP 大国になる日本』( 相沢幸悦、2012)
著者の逆転の発想です。
円高を利用して、 欧米の優良企業の株式を 購入し、 その配当で生きていけばいいとの提言です。
〈以下一部抜粋・要約〉
GDP は国内で生産された付加価値、 GNP は国民が生産した付加価値だ。
グローバル化で日本企業は 大挙して海外に出ている。
一方 、日本の経済成長につれ 対外直接投資や証券投資が激増している 。
GNP は 国民の稼ぎがポイントなので 、投資収益が増えると GNP は増える。
これから、日本が今まで以上に 対外投資を行うとか、 超円高を利用して 外貨を稼ぎ 海外で運用すれば、 投資収益が激増する。
膨大な貿易赤字を抱えるアメリカであるが、 所得収支は、かなりの黒字を記録している 。
大規模に海外への投資を行って、 膨大な利益を得ているからである。
日本のように海外投資といえば安全だった アメリカ国債というようなものではなく 、株式などのリスク資産に投資している。
日本は超円高が続いている間に 、為替介入によって 、大規模に米ドル・ユーロを買い入れ、 その米ドル・ユーロ資金で 世界の株式を買いまくる必要がある。
外貨準備を現在の100兆円規模から 500兆円まで引き上げる、そして 個人金融資産のうち500兆円と合わせて 1000兆円あれば 、世界の株式の50%を買い占めることができる。
外貨準備500兆円を政府系ファンドとして5%で運用できれば 、年間25兆円の国庫収入 、個人金融資産500兆円を 5%で運用すれば25兆円の運用益 、
これに20%の税金を課せば5兆円の国庫収入、 じつに30兆円の国庫収入となる。
この国庫収入を 1000兆円の政府債務残高の10年間での「自然消滅」用に使えばいい 。
政府債務は、民間での方式である債務の株式化 を利用して 、債務から「日本株式=自己資本 」に転化して消滅させるのだ。
10年くらい経過すると 1ドル140円くらいの円安に 転換していくことになる 。
すると 1000 兆円で獲得した 海外株式の時価総額は 、成長産業に限定して投資されているので 、50% 増で1500兆円 、円安のおかげで 3000兆円になっているはずだ。
むすび
世界の優良株式に投資することによって、 その配当で福祉を充実できる 。
先人の血と汗と涙の結晶によって 、ようやく日本人も生活に不安がなく、 誰でも教育を受けられ 、老後の心配もない世の中で生きていくこと生きることができるようになる 。
そして、明治維新以来、ようやく、 ヨーロッパの人々のように、 文化や芸術に親しみ 、余暇を楽しみ 、趣味に生きることができるようになる。
日本人みんなが 、生まれてきてよかったと思える、 日本が登場する 。
わが国が、 この世の「楽園」になればと願って 筆をおくことにしよう。
私(チキハ)の感想です。
多くの日本人は 日本が衰退して貧しくなっているということに 意識が向かって います。
しかし日本という国は、お金持ちなんですね。
お金持ちとしての使い方に馴れていなかったとも思えてきます。
「 政治家のレベルは、 有権者のレベル以上にはならないからだ」と書いてあります。
お金に対する意識を変えていった方がいいように思えてきます。