ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

長期金利(10年ものこくさいの利回り)ってなに

『官製相場の暴落が始まる 』(副島隆彦 、2014)

株価が下がりませんね。

 

〈以下一部抜粋・要約〉 

 

はじめに

今の日本政府がやっていることは相場操縦である。

 すなわち政府による市場の 価格操作である。

 こんなことを一体いつまで続けられるのか 。

法律違反である相場操縦を金融市場で政府・国家自身がやっている。

 先進国すなわち今のアメリカ 、ヨーロッパ 、そして日本の3つが揃ってやっている。

 ①株式と ②債権(金利)と ③為替(円・ドル相場、ドル・ユーロ相場)の 政府自身による価格操作と統制が行われている。

 今のところは、この先進国3つの地域の思うがままである。

しかし 果たして金利( 国債の価格)までを操ることはできるだろうか。



経営者たちは 金利が少しでも上がることを嫌う。 

プロのバクチ奕ち( 大型の個人投資家)たちは 投資資金(バクチの金)を どこからか借りてきて投入している 。

その資金繰りが少しでもきつくなることを本気で嫌がる。

「 プライム・ブローカー」と呼ばれる 資金の出し手たちから 日歩の増額を要求されるのが嫌だ 。

ギリギリまで借りてポジションを作っているので 金利が上がると逆回転 が起きて ポジションを解消されてしまう。

 

政府金利(長期金利)がたった0.1%上がるだけでも 連邦政府の 財政赤字の利払い 義務額が2.1兆円(200億ドル)かさんでしまう。

 

一体、アメリカの政策当局者は何に怯えているのか。

 彼らは短期金利(政策金利)の方は 2%くらいまで上げたいと思っている。

 ところがそれに連動して 長期金利(10年物の米国債の利回り)が ほんのわずかでも、それにつられて上がることにドキドキしているのだ。

FRB (アメリカの中央銀行)が 金融政策として金利を誘導して 決められるのはFFレート( かつての公定歩合。1年以内の短期の資金)だけである。

 短期金利しか動かせない。

 長期金利であるところの国債の値段については いくらアメリカの権力者たち (アメリカ政府)であるといえども 自分勝手にいじくって誘導することはできない。

長期金利は自然利子 だからである。

人為では動かない 。

 

繰り返すが 0.1%でも長期金利が上がってしまうと アメリカ財務省が血相を変えて嫌がりだす。

 

大事なことは、 今からもう6年前の2008年9月15日に起きたリーマン・ショックという「ニューヨーク発の大恐慌突入」があったあと、 アメリカ政府が金融機関を救済してしまったことにある 。

その年の暮れに、 本当はリーマン・ショックでアメリカの大銀行、 大証券、大保険が 軒並み倒産(破綻 )したことの尻拭いを、QE( 量的緩和)と称して アメリカの政府・国家が 全部泥を被って救済してしまった。

あの時に、 アメリカの民間大銀行たちが金融大バクチの果てに異常に積み上げた隠れ借金の一部 、20兆ドルぐらいが 政府部門および中央銀行に移ってしまったのだ。

 

米国債が信用をなくして買い手がつかなくなって、 一気に暴落を始めて 値段がつかなくなり 、それで金利が急激に上がり出すことが一番恐ろしい。

 国債利回りが3%、4%どころではなく 10%、15%に跳ね上がってしまうことが一番怖いのだ。

 そうなったら、まるで新興大国のインドやトルコやブラジルが最近やったように 、政策金利を急に10%に上げたことと似ている。

 金利を10%に上げないと 世界中の金持ちたちが資金を引き上げる( その国の国債を一斉に売却する)からである。

「10%の金利がもらえるのなら 、仕方がない。あと暫く資金を置いておいてやるか」ということになる。

あとがき

私はこの本で 、欧、米、日の3つの先進国の政府自身による 、違法な市場操作の実態を暴き立てるように書いた。

 彼らのやりたい放題の悪行を徹底的に説明した。

 日本政府が 喧伝する景気回復はなかった。

 私たちの暮らしは苦しいままだ。 日本はますます貧乏になっている。

 欧、米、日の政府による金融市場の価格操作、 すなわち相場操縦は、すでに限界に達しつつある。

 市場を支配しようとする者たちは、必ず市場から復讐される。 どんな権力者でも、 独裁者でも、 ローマ皇帝でも 、市場を支配しつくすことはできなかった。

 日本の徳川八代将軍吉宗は、 米相場を管理しようとして「米将軍」と呼ばれたが大失敗した。



私(チキハ)の感想です。

大恐慌(1929~1939年)のとき、政府は救済をしませんでした。

そして、戦争にまで突入しました。

 

この本に書かれているようにリーマン・ショック大恐慌(2008年)は、政府や中央銀行が、なりふりかまわず 救済をしました。

 

どちらが良かったか。

 

今後どう着地させていくかという問題が残ってると思います。

 

堅実にやっている 企業などは、対策を練っているとは思います。

しかし、この本に書かれているように ギリギリまで借金をして いるような政府、企業などは 金利が上がった時に 大変なことになりますね。

 見きわめる賢さを持ちたい、と 思いました。