ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

英国の時代が終わる

『誰も知らない金融危機  LIBOR消滅』 (太田康生、2019)

2021年、大統領選の翌年は 株価が下がると 言われています。

それとは別に大きな時代のうねりのような 事態が 起きそうです。

長年ロンドンで決められてきた 国際基準の金利が 消滅しようとしています。

それはロンドンの国際金融市場の 地盤沈下 をも示しています。

 

〈以下一部抜粋・要約〉

 

世界で300兆ドルの取引に使われ、 国際金融ビジネスの 指標として用いられてきた LIBOR(ロンドン銀行間金利 )。

だが不正操作スキャンダルで 信用が失墜し、 虚構の指標であることも判明。

 2021年末に 消滅が決まった。

 

その国際標準の指標がなくなると 、指標は通貨ごとにバラバラになる。

 算出方法も 算出時間も異なるようになり、経済効率が落ちる。

 国境の壁を取り除いて 国際的な動きを促そうとしてきた 金融グローバリゼーション後退への 大きな転機となる。

 

銀行業界は効率を追求して設けたツールは 業界の自主規制団体が管理していたのだが、使う指標を自らが決める利益 相反の構図が内包されていた 。

それが悪用されたため、指標は監督当局の規制下に置かれることになった 。

そして共通のツールは 2021年末にも消え 、指標は分断され、 国際金融のコストが高まることになる。

 取引の根幹でコストが上がれば、 それは金融の活力を低下させかねない 。

分断された指標の管理には 各国の当局が強く関わっており、 民間が自主的に金利を決める体制ではなくなる。

 マネーの論理に支えられた民の活力は生かしにくくなる恐れがある。

 国際金融の基本構造が変わるのだ 。

グローバリゼーションは金融面で 推力を失おうとしている。

LIBORの 消滅で、ひとつの時代が終わろうとしているように感じられる。

 

私(チキハ)の感想です。

 

英国ビッグバンより30年にわたって続いた、世界金融市場のトップの座は、EU離脱ととも崩れ去ります。

来年以降も世界的な混乱はつづくのだな、と思います。

一面を見れば崩れ去ってゆきます。

他方を見れば新しい時代の到来。

私には見えていませんけど、きっと見えている人もいるのだろうな、と思います。