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国際銀行家の歴史

『国際銀行家の歴史』(林 広、2009)

国際銀行家が活躍するには背景があるようでした。

ヨーロッパは寒く農業の生産が小さかったため、商品の売買などが発展しました。

商品の売買には銀行が必要でした。

争いが絶えなかった国々の資金繰りや 、国債を売買するのも銀行の役目でした。

それらは、 国をまたがる広いネットワークが必要でした。

 

〈以下一部抜粋・要約〉

 

海外に発展するのに ヨーロッパは三つの権力組織が動いた。

一つは教会である。

 しかし海外発展の中心は 世俗的国家が一番大きな力となった。

 大航海時代の ポルトガル・スペインそしてオランダ・イギリス・フランス等の国家である。

 そして三つ目が国際銀行家たちである。

 彼らは目立たない 。

 国際銀行は利益と利権だけで満足しており 、意識的に自らの存在を目立たないようにしている。

 

ヨーロッパでは国王や政治家の歴史 、あるいはキリスト教や協会の歴史は多く書かれている。

 そしてこうした活動の陰に隠れて、 ほとんどの人が注目しないのが国際銀行家の存在なのである 。

アジアでは日本は勿論、インドや中国でもヨーロッパの国際銀行家に相当するものは無い 。

 

ヨーロッパの中世は分裂していたが、三つの権力が支配していた。

 一つはカトリック教会で全体を文化的、思想的に統一していた。

 二つ目は都市国家、 三つ目は王を頂点とする貴族層で 一番下に騎士と騎士領があり、 農民は基本的に自給自足であったが、 貴族層は武器や消費生活のために 都市国家が供給する商品に頼っていた。

 

フランス革命は経済危機から生じ、 その経済危機は国際銀行家の一連の行動によって引き起こされたというのは フランス知識人の常識だった。

 それでフランス政府もナポレオンも国際銀行家を警戒、 国際銀行家がいなくてもフランス経済がやっていけるよう、 財政や国際貿易を 構築した。

 

逆にイギリスはフランスに比べると国力が圧倒的に弱く それを補うためにヨーロッパ大陸から資金を導入していたので イギリス政府はヨーロッパの国際銀行家を取り込み 対抗しようとしていた。



私(チキハ)の感想です。

これに続く世界の闘争には表に出ない権力者たちもいました。

私たちはヨーロッパ的な動きに とても疎いと思いました 。

アジアのように農業で豊かに自給自足ができていた 国とは違い、彼らは航海し、搾取し、それは、いちかばちかの博打であり、駆け引きでした。  

日本はバブルのとき欧米から学ぶものはないと思っていました。しかし今や第二の敗戦と言われるようになりました。それは、この事情に注意してこなかったからだと筆者は言います。

この本は非売品です。