『チャイナハラスメント』(松原郁久、2015)
私はこの本を読んでいて思うことが一つありました。
著者は中国ビジネスとの経験は30年で、駐在は7年あります。
中国人から見ると日本人は与しやすいのだと言います。
私が思った事は、中国を大きな一つの人格を見るように思ったことです。
頭の中には日本人の中にもいる、扱いに難しい人が思い浮かんでいました。
本の目次を読むだけで、その人たちが頭に思い浮かぶ人もいるかもしれません。
中国では、とても厳しく激しい環境の中で人々は生きなければならなかったと思います。
おとなしく自己主張をせず、ルールを守っていたのでは生きていけないのです。
しかそれだけでは無さそうです。
さて今回は目次を抜粋してみようと思いました。
<以下一部抜粋・要約>
第一章 中国人ビジネスマンの頭の中
約束違反を自慢し、平気で嘘をつく経営者
面子を潰されたら、必ず仕返しをする
第2章 日本人ビジネスマンの落とし穴
日本企業の中国事業は「共産党への奉仕活動」
「すみません」と言ったら「負け」
中国ビジネスに向いているのは「関西人」
第3章 中国ビジネスに潜むこれだけのリスク
「代金不払い」の常套手段
「反日政策」という中国独特のリスク
「反日無罪」で加害者にお咎めなし
「誠意ある対応」をするとつけあがる
第4章 中国経済の将来は明るくない
知的財産権が保護されていない
技術は「盗むもの」
中国の技術者は技術を隠す
工場見学に行ったら「刑務所」だった!
「ルールを守っていたら怒られる」
第5章 中国事業の責任者に必要なマネジメント技術
儲かるとわかれば一生懸命になる
第6章 中国人ビジネスマンとの交渉術20箇条
行くも留まるも退くも……
私(チキハ)の感想です。
とにかく生きることに強欲、自分の利益になることに焦点を合わせる。
著者の前書きにこのように書いてあります。
「事前に一言だけ申し上げるとすれば、“日本人と中国人は、あまりにも違った人たちであり、もし関わろうとするのならば相当な覚悟を持って挑む挑むべきである”ということです。
その覚悟がないのならば、中国と関わるべきではありません」
かなりの辛苦をなめてきた人の言葉だと感じました。
しかし最後にはこう結んでいます。
「日本と中国の間にはいろいろな問題が山積していますが、隣国同士と言う関係は切っても切れません。
切っても切れない縁を「腐れ縁」と言いますが、知的な関係以外にも文化や人的な関係においても、日中関係はいってみれば腐れ縁です。
私はこの著書の中で「中国は問題を交渉で解決する国」と書きました。
また交渉で大きな問題を解決できたことも例示しました。
問題があっても隣国同士で話し合い、最後は円満に解決して両国が発展していることが望ましいことですし、必ずできるものと思っています」
著者は中国政府から国家友誼奨(中国の発展に貢献した外国人に与えられるもの)を受賞しています。
このような粘り強い人のおかげで、争いにならずに済んでいるのだと思いました。
この本が書かれてから6年経ちます。
中国共産党の脅威は今(2021年11月)、全世界の人たちが認識しているところです。
私たちのデジタル製品の多くは中国製になっています。
そのデジタル機器から、秘密裏に情報が中国に渡されています。
それはクレジットカード決済端末でも発見されています。
またTikTokやzoom等のソフトウェアからも情報が中国に流れているという指摘があります。
技術は盗むもの。
騙される方が悪い。
その精神性の顛末はどうなるのでしょう。
中国共産党は、神や宗教を禁じています(マルクス主義無神論者)。
目に見えないものは存在しないのです。
中国では上位7人が国を動かしています。
マドモアゼル愛さんの指摘によれば、悪は神経症的自尊心です。
その精神性は、ほかを蹴落としても、自分さえ良ければいいとなります。
さらに貧乏でなければ、苦しんでいなければ安心できない、と神経症的自尊心の悪魔的様相を帯びていくのです。
神経症自尊心を治すには、運を天に任すといった様な境地しかないのです。
それらを克服できない存在が、悪なのだと言います。
私たちは、巻き込まれて被害者にならないように注意したいです。
あおられて、争いに乗ることも避けたいです。
隣人を理解して付き合うことが大切だと思いました。