ゆうちょ銀行の定額貯金はどのようなものか
2022年2月、アメリカ、イギリスなどは金利を上げることを表明しています。
日本ではまだ、表明していませんが物価の上昇は現実であって、金利を上げていくことが予想されます。
そこで思い出されるのは、安全な金融商品、庶民のために開発されたゆうちょ銀行の定額貯金(ていがくちょきん)です。
古い人の中には、「金利が高いときに定額貯金をして、すごく儲かった」という人がいます。
当時は民営化される前でしたので、税金(20%)を引かれることもなく金利の面でも優遇されていました。
今ではそのような優遇は無くなりました。
ではなぜ定額貯金なのか。
まずは、ゆうちょ銀行のホームページから見ていきたいと思います。
定額貯金
預入の日から起算して6か月経過後は払戻し自由。10年間半年複利で利子を計算するじっくり増やせる貯金です。
特徴
預入の日から起算して6か月経過後は払戻し自由。
預入後3年までは6か月ごとの段階金利を適用します。
(金融情勢によってはこの限りではありません。)
10年間半年複利で利子を計算します。
https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/chokin/teigaku/kj_cho_tg_teigaku.html
ここで、よくわからないのは「段階金利」ではないでしょうか。
一体それはなんなのでしょう。
yahooの知恵袋で見てみましょう。
ベストアンサー
myt********さん
2016/9/11 12:45
質問と直接関係ありませんが、定額貯金は最低6ヶ月は据置き期間でおろせないため、一番低い利率は6ヶ月たたないと適用されません。
それを踏まえた上で、例えば6ヶ月以上で1%、1年以上で1.5%、2年以上で2%、3年以上で3%になるとします。
6ヶ月でおろすと、もちろん1%の半年分の利子が受け取れます。
1年でおろすと、預入時から1.5%で計算し直されます。(半年複利)
同様に3年以上たっておろした場合は、預入時から3%で預け入れたものとして計算し直されます。(半年複利)
これが「応じた利率が預入時に遡って適用される」という意味です。
定額貯金では、固定金利です。
固定金利というのは、初めの金利が引き出し時までずっと続くということです。
金利は常に変動していて、ゆうちょ銀では毎週月曜日に決定しています。
6月以上1年未満 0.002%[0.002%]
1年以上1年6月未満 0.002%[0.002%]
1年6月以上2年未満 0.002%[0.002%]
2年以上2年6月未満 0.002%[0.002%]
2年6月以上3年未満 0.002%[0.002%]
3年以上 0.002%[0.002%]
(参考)5年 [0.002%]
(参考)10年 [0.002%]
現在は金利が低すぎて、計算になりませんねー。
「段階金利」ザックリいうと3年より前に引き出すと利率は低いですよぅ、ということで良いのではないでしょうか。
では、「半年複利」ってなんでしょうか。
半年複利なので、半年毎に利息がつき、1年に2回利息が付きます。
半年複利の元利合計の計算式は、 【 元本 ×(1+ 年利率/2 )(年数×2)乗】
例えば、100に5%の金利が付くと、1年後105になります。
105に……
安心してください、難しいことは分からなくても、複利計算シュミレーションを使えば分かります。
シミュレーションの入力値
お預り年月日
2022 年 2 月 4 日
お預り金額
100,000 円
口数
1 口
払戻予定日
2032 年 2 月 4 日
お受け取り金額
元利合計金額
100,020 円
利子額
20 円
税額(国税・地方税)
4 円
お受け取り金額
100,016 円
受け取り金額が低すぎて、なにも理解できない、その気持ちわかります。
ワタシも書いている意味がわかりませんよ。
でもちょっと辛抱して下さい、もう少し。
それでは過去の金利を見てみましょう。
yahooニュースから引用です。
郵便貯金の金利推移
現在のゆうちょ銀行では1か月、3か月、6か月、1年、2年、3年、4年、5年のいずれかの期間を指定できるが、過去においては色々と用意されている商品の条件が異なるため、できるだけ条件の似通ったものを時系列データとして連ねている。
郵便貯金(ゆうちょ銀行の貯金)の定期貯金の金利(毎年年末の値、1992年までは1年満期、1993年~1995年は1000万円未満・3年満期、1996年以降は3年満期)
最古の1961年時点では5.000%。その後金利は上昇し、1974年は最高値となる7.500%をつける。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20180816-00092752
上記は、定期貯金(ていきちょきん)の金利額ですが、定額貯金の最高値は、1980年の3年以上で年率8%があります。
このように、過去金利の高いときがあって、最高値のときに預け入れることができた人は、10年で倍近くになっています。
以下、keisan.kasioのサイトより100,000 で金利3 %の半年複利計算をしてみましょう。
10年目 134,686
計算詳細や端数処理は各金融機関によって異なる場合があります。
※計算結果や情報等に関して当サイトは一切責任を負いません。また個別相談は一切対応しません。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1248923562
半年複利、強よっ、ということがわかりました。
定額貯金は一度窓口で契約をすれば、2回目以降の入金はATMで出来るという手軽さです。
一口1.000円から預け入れでき、最大で30口300万円までです。
一口単位で引き出しができますので、掛け金全部を一口で預けずに、引き出ししやすい単位がいいようです。
定額貯金で増えた人って、コツコツ貯金していた人の印象です。
虎の子(大切にして手元から離さない)といった感じですね。
ここまで見てきましたが、いかがだったでしょうか。
その他の金融商品でもっと良いのがあるのではないか、とお考えのあなた、かしこいです。
面白い論文を見つけましたので、以下に載せておきます。
「バブル経済下の郵便貯金」です。
89年に長期金利よりも、短期金利の方が上昇する逆転現象がおきます。
金利の変化をみて、人々が預け入れ先を変更している様子が書かれています。
おおよそ2年半の間に、その変化がありました。
そのとき素早く「今は、2〜3ヵ月ものの方が金利が高いわ。その後に長期にしよう」ミセス電卓をたたく、ということが行われたかどうかは知りません。
しかし、今後起こりそうな令和バブル崩壊で気をつけたいのは銀行の脆弱性です。
ロックフェラーやロスチャイルド系の大手銀行があると聞きます。
論文の最後には、金融危機時の郵便貯金の評価されなかった特性「安全性」という表現がありました。
ゆうちょ銀行のホームページを見ると、日本郵政株式会社が株式の89%を保有しています。(2021/9)
そして日本郵政株式会社は、政府及び地方公共団体が株式の61%を保有しています。(2021/9)
10年間半年複利であること、6ケ月後には引き出せること、そしてなによりも株主が日本郵政であることは大切な要素ではないかと思います。
<以下論文の抜粋>
90年代終わり、証券市場 の崩落から始まったわが国の経済危機は、金融市場にまで波及し、日本の金融システムそのも のの危機に発展する。この時、郵便貯金は、間接金融優位、行政による護送船団方式によって 「一行たりと潰さない」とされた戦後の預貯金市場において、本当の意味では一度として評価 されることのなかったその特性、すなわち「安全性」を注目されることになっていく。だが、 このような90年代の郵便貯金に現れた新たな特徴、底流における郵便貯金の役割の変化は、90 年代冒頭の貯金再流入の波に飲まれ、そのまま現れることはなかった。金融危機の深化ととも に増大しつづける郵便貯金の存在は、公的金融肥大の元凶として焦点化されていくことになり、 小泉郵政民営化の歴史的前提が準備されることになったのである。
バブル経済下の郵便貯金
https://www.postalmuseum.jp/publication/research/docs/research_03_05.pdf