ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

コロナ後の未来

『コロナ後の未来』(ユヴァル・ノア・ハラリ/カタリン・カリコ/ポール・ナース/リンダ・グラットン/リチャード・フロリダ/スコット・ギャロウェイ/イアン・ブレマー/編大野和基、2022)

<以下一部抜粋・要約>

デジタル独裁主義の悪夢を阻むには ユヴァル・ノア・ハラリ

イスラエルのヘブライ大学で歴史学を教えるユヴァル・ノア・ハラリ教授は、『サピエンス全史』で、世界中から注目された。

 

政治的イシューとなったパンデミック

すると、21世紀におけるパンデミック対策は、純粋に科学的な問題ではなく、政治的なイシューとなりました。

なぜなら、どのように感染防止対策を打ち出し、ワクチンなどの科学的ツールをどう配分して使用するか、それを決めるのは政治家だからです。

 

パンデミックの教訓

やはり科学者たちが国際的に協力して立ち向かったことでしょう。

ワクチンの迅速な開発が、何よりの成果です。

世界的な格差や分断が拡大している21世紀にあって、私たちは国際秩序をもう一度取り戻さなければなりません。

 

mRNA ワクチンが切り拓く可能性 カタリン・カリコ

ファイザー/ビオンテックとモデルナがワクチンとして初めて活用したのが、メッセンジャー RNAである。

1978年にハンガリーのセゲド生物学研究所で研究者としてのキャリアをスタートさせたカリコは、その時からRNAを研究テーマとしていた。

カリコは40年以上にわたってRNAについて研究し、ついにワクチンとして実用化させたのだ。

 

これはパンデミックになると直感したCEO

「やがてドイツにも来るパンデミックに、われわれは対処しなければならない」

CEOには、ある程度の勝算があったようです。

すでにビオンテックはアメリカの世界的メガファーマであるファイザーと提携して、2018年からmRNAを使ったインフルエンザ・ワクチンを開発していたからです。

このワクチンは動物実験を既に終えていて、1回目の臨床試験を進めようとしていた段階にありました。

ですから、世界中で臨床試験を何万人を対象に実施することも、それだけの数のワクチンを製造・配送することも比較的容易だったのです。

 

RNAとは何なのか

皆さん、DNAについてはよくご存知でしょう。ここにすべての遺伝情報が入っています。

RNAは言ってみれば、DNAをお手伝いする仲間です。

 

タンパク質の設計図を運ぶ

細胞の中にはいろんな種類のRNAが存在しているのですが、そのうちmRNAはDNAの遺伝情報を1部だけコピーして、リボソームという細胞内小器官に運びます。

遺伝情報を配達する役目を担っているので「メッセンジャー」と呼ばれているのです。

リボソームでは、その設計図をもとにアミノ酸をつないでタンパク質が合成されます。

どのアミノ酸をどういう順番でつなげるのか、それでタンパク質の性質が全く変わります。

ここで重要な事は、mRNAが運んできた設計図をもとにタンパク質が作られているということです。

 

ウィルスのトゲを作る

ワクチンに入っているmRNAは、ウィルスのスパイクタンパク質と同じものを作るように、人工的に合成したものです。

ですから、ワクチンを打つと、細胞の中ではウィルスのトゲの部分がいっぱい作られます。

すると免疫システムはウィルスが侵入してきたと勘違いして、免疫の警察やら消防隊やらが一斉に出動します。

そのいろんな免疫細胞のうち、B細胞はトゲにぴったりくっつく形の抗体をつくります。

すると抗体はたくさんウィルスにくっつき、まとめて塊にして、他の細胞に感染できないようにしてしまいます。

 

生命とは何か?ウィルスとは何か? ポール・ナース

現在、イギリスのフランシス・クリック研究所の所長を務めるポール・ナース氏は、2001年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。

長年にわたって酵母菌の細胞が分裂するメカニズムと周期について研究し「sdc 2」という遺伝子によって作られるタンパク質キナーゼという酵素が、細胞周期を進行させていることを解明した。

 

新型コロナウィルスの生存戦略

細胞について長く研究してきた私からすると、新型コロナウィルスは基本的に他のウィルスとあまり変わらないものの、ある戦略を持っているように見えます。

私は今、まるでウィルスが意識を持っているような言い方をしましたが、もちろんウィルス自身自体に意識はありません。

しかしながら、このウィルスの生存戦略は、他のウィルスと比べて非常に狡猾なものだと思います。

新型コロナウィルスが私たち人類にとって極めて厄介なところは、新型コロナウィルス感染症で重症化したり死亡したりする人や、いまだに治療法のわからない後遺症に長く苦しんだりする人が一定の割合で発生する一方で、多くの人は感染しても軽傷で済んでしまう点です。

感染したことにさえ気づかない無症状の人が多くいる一方で、ある日突然重症化してしまう人もいる。

これは未だにCOVID-19の大きな謎です。

ウィルスが寄生する宿主を殺してしまえば、そのウィルスはすぐに絶滅してしまいます。

宿主が死んでしまう前に他の宿主に感染して増殖すること。

それがウィルスにとって最重要課題なのです。

従来のCOVID-19はウィルスに感染してから約5日後に発症すると考えられていますが、長いときは潜伏期間が14日以上にも及びます。

 

ワクチンを接種するしかない

世界全体にワクチンを十分に行き渡らせないと、意味がないのです。

 

自然淘汰で生まれる変異株

新型コロナウィルスについて、私が特に懸念している事は、この新たな変異株の存在です。

変異株の中にはワクチンで感染を抑制できないものがあります。

 

m RNAワクチンの利点

変異株に対して1つだけ楽観的になれる要素があるとしたら、それはメッセンジャーRNAを使ったワクチンの存在でしょう。

m RNAは、DNAの遺伝情報の中からタンパク質をコードする配列をコピーして、タンパク質を合成するリボソームまで運ぶ役割を担っています。

いわばタンパク質の設計図を届ける“運び屋”です。

このmRNAを使うタイプのワクチンにはとても素晴らしい特徴があります。

ウィルスが変異しても、それに対応した新たなワクチンを開発することが非常に簡単なのです。

新しい変異株が見つかったら、すぐにウィルスのスパイクタンパク質を同定して、それに対応したm RNAを作ればよいのです。

 

未来の都市は「第3の場所」を求める リチャード・フロリダ

現在、トロント大学ロッドマン・スクール・オブ・マネジメント教授で、同スクールのマーティン・プロスペリティー研究所の所長も務めるリチャード・フロリダ氏は、世界で最も有名な都市経済学者だ。

 

スウェーデン・モデルの真の狙い

個人的な意見ですが、私はCOVID-19の流行初期から、対処法としてはスウェーデン・モデルが正しいのではないかと思っていました。

スウェーデンは強力なロックダウン措置をとらず、マスク着用も個人の判断に委ねるなど、感染予防対策は最小限に抑えて、社会を機能させ続けることを最優先しました。

スウェーデンの公衆衛生の専門家のインタビューを見ても、こうした施策の目的について、「社会を平常な小体状態に保つことで、人々のメンタルヘルスを正常に維持することが目的です。

特に子供のメンタルヘルスを正常に保つことが重要です」と言っていました。

 

若い世代にはオフィスが必要

まず、若い世代にとってオフィスは重要な意味があります。

キャリアを歩み始めたばかりの新人は、多くの人に直接会って、ネットワーク(人脈)を作りたいと思っています。

彼らは子供もいないし、郊外に広い部屋を借りられるほど経済的な余裕がありません。

だから、若い世代が多く働いているアメリカのテクノロジー企業は、大都市に新しいビルを建てています。

 

「第3の場所」とは何か

私はこれまで「第3の場所」と言う概念を提唱してきました。

このコンセプトは、30年以上も前に都市社会学者のレイ・オルデンバーグ氏によって考案されました。

「第1の場所」を住む場所、「第2の場所」を働く場所だとすると、「第3の場所」とは、人と人がつながる場所のことです。

 

私(チキハ)の感想です。

mRNAワクチンについて、ここに書かれている内容と真逆の証言があります。

超党派議員の勉強会の中で、福島京大名誉教授が、当初日本人は感染者が非常に少なかったその理由を述べています。

そして、「ワクチン接種と接種後死亡の因果関係ならびに健康被害について」説明をされています。

こちらのブログで文字起こしされています。

https://truncheon.hatenablog.com/about

こちらは動画です。

11月25日「新型コロナワクチン接種と死亡事例の因果関係を考える」勉強会

話しは変わりますが、落合陽一さんの対談を見ていたら、ハラリ氏の『サピエンス全史』『ホモ・デウス』などは、人間だけを考えているから違うのだと言っていました(落合さんは自然を考えている)。

落合さんは、AIが人を超えるのは数年後で、これからの社会は今までと全く違うものになる、裏返し(人は食う寝る体を動かす、恋愛する)になると言います。

今までのままではない、社会は大きく変わる、という話は色々な人から聞くようになりました。

コロナ騒動が、契機になった、とも思えます。

片方は、監視社会のようなものを想像させますが、もう一方は縄文時代のようなものを想像させます。

私はテクノロジーを人の幸せのために使う人と、そうではない人がいると思うようになりました。 

科学的な情報が出そろった後で、人は新しい社会をイメージしていくようになるのだろうと思いました。