『世界はすでに破綻しているのか?』(高城剛、2014)
<以下一部抜粋・要約>
国家財政破綻、人はどう生き延びたのか?
アルゼンチン
国民は誰もお金を信用していない
ボカ地区に向かうと、一角にあるカフェの中でマーケットが開かれていた。
焼きたてのパンに手作りの帽子などがずらりと並び、髪を切るヘアドレッサーまで入る。
奇妙なことに、商品を買い求める人々の手に紙幣はなく、「100クレジット」と書かれた見慣れないチケットでやりとりをしていた。
ここは“トルエケ”と呼ばれる交換クラブで、ここの中では、現金を使うことを一切禁止している。
“トルエケ”とは、物々交換を意味する。
その名のごとく物々交換できることはもちろん、散髪などのサービスの提供のほか、自分たちで作った「地域通貨チケット」と交換しても良い。
チケットは、この「交換クラブ」のみで通用する。
2001年の経済破綻以降、全国各地で自然発生的にこうした場が次々と誕生していったという。
そもそもトルエケは、美術館に勤務していたルーベン・ラ・ベラという人物のボランティアから始まった。
「通貨を使わないことに意義がある。どんなに欲しいものがあってもお金では買えない」というルールを打ち立てて、わずか3人のメンバーで“レッド・グローブ・デ・トルエケ”という物々交換の場をもうけたのが、始まりだ。
アルゼンチンの失業率は1980年以降、年々増え続け、2013年には40%を超えた。
当然、失業中の若者も多いはずだが、彼らが一体どうやって食いつないでいるのかといえば、「農業で暮らしている」のだという。
仕事がなくても、郊外の土地には余っており、おかげでワイナリーや有機野菜栽培なども盛んになって、不思議なことに国全体の食材や料理のクオリティーは上がっている状況である。
また、荒地を自分で開墾して自給自足し、その経験を生かして家庭菜園を作る方法を教える者もいれば、廃棄処分になった食料品を集め、物々交換の場で他のものに変えて暮らすものも出てきている。
彼らは、モノがあふれる消費社会に警鐘を鳴らすため、お金を一切使わない“フリーガニズム”を提唱しているという。
ユーロ危機に学ぶ「生き延びるヒント」
スペイン危機
地域が国家を超える時代
カタルーニャ州は観光によるGDPが高く、それなりの産業もあるので、人口は少ないが、スペイン経済の5分の1以上を担っている。
もともとバルセロナを州都にするカタルーニャは、スペインではない。
市民戦争に負け、中央政府マドリードの圧政に苦しみ、近年までカタルーニャ語を話すことさえ禁止されていたのだ。
だから、マドリード=スペイン政府は、今でも敵国同然なのである。
その敵国スペイン政府に対して、これ以上我慢ならない、と市民は蜂起した。
カタルーニャの人々は「われわれはスペイン国民ではなく、ユーロの一員である」と誰もが強く思っている。
国家を越えて、地域へ。
そう考えているのは、カタルーニャだけではなく、英国のスコットランドもオランダのフランドルも同じだ。
欧州危機以降、信用できない国家ではなく、目の届く範囲で「新しい自治」を考え始める地域が続出し、地域運動機運が欧州のあちこちで起きている。
バルセロナを歩くと、実に不思議な感じがする。
スペイン語のメニューだけではなく、英語、ドイツ語、中にはロシア語表記の店も格段に増えたと感じる。
今、相対的にスペイン人が減り、国外からの人々が増え続けるこの街は、グローバリゼーションが行き着く未来都市なのだろうか?
これが正しいか間違っているかではなく、後戻りできないことは確かだ。
欧州が直面している財政問題は、すでに財政のレベルを超え、社会の枠組みの大きな変化が必要な時期に差し掛かっている。
グローバル企業が国家を超えたように、いよいよ地域が国家を超える時代。
それが始まるように僕は感じる。
私(チキハ)の感想です。
金ちゃん(息子)と話をしていたら、将来は海外で働きたいと言う。
ざっくり言うと、日本を見限っているようだ。
一年前とは随分と話す内容が変わった。
今年は就職先を決めるのだ。
下の動画を観て、日本の歴史にそういった行動をする人たち「走り者」がいたことを知る。
それが日本を変えることでもあった。
【歴史から学ぶ】2023年を生きる4つのヒント/①なぜリーダーは間違った選択をするのか/②拡大する格差と政治/③教育投資が日本を変える/④崩壊する1660年体制 - YouTube
日本の生産性は日本国民全員を養えるほど高くなる、私もそう思う。
不思議なんですよ、物が溢れている日本に、なんで、孤独で飢える人がいるのか。
もう、スーパーの品物タダでよくない?
その前に、国家破綻ですか。
国家を超えて、地域へ、そう来ますか、足元固めましょう。