ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

スマートコントラクトeコマースDAOAPIDeFiああああ

『データエコノミー入門』(野口悠紀雄、2021)

<以下一部抜粋・要約>

はじめに

日本はこれまで、ビックデータの活用に立ち遅れた。

日本経済衰退の根本的原因は、工場や店舗でなくデータが基本的資本となる「データ資本主義」に対応できなかったことだ。

 

新しいビックデータであるマネーのデータを活用することによって、日本再生の手がかりを掴むことが期待される。

 

DAO(分散自立型組織)が拓く未来

スマートコントラクトとDAO

ビットコインなどの仮想通貨は、「送金」という単純なサービスを提供している。

それに対してDeFiは、前節で見たように、もっと複雑なサービスを提供している。

これを可能とするのが、「スマートコントラクト」だ。

この仕組みを理解するために、eコマースのサイト運営を考えてみよう。

Aさんがここで書籍を購入したいとする。

この希望は、インターネットを通じてサイトに送られる。

そして、Aさんの希望は、人間の手作業ではなく、コンピューターのプログラムで自動的に処理される。

この処理が正しく行われるかどうかは、サイトが管理している。

ところで、この取引を、ビットコインの場合と同じような仕組みで自動化することができる。

つまり、任意に集まったコンピューターのネットワークが、Aさんの希望を処理する。

ビットコインの場合には、送金があったという記録をブロックチェーンに書き込み、それを公表するだけだった。

しかし、今の場合には、代金をクレジットカードで引き落としたり、書籍をAさんに発送するという作業が必要になる。

これらは、「スマートコントラクト」という仕組みで行われる。

スマートコントラクトとは、「ある条件で作動するプログラムをブロックチェーンに登録し、条件が満たされた際に自動的に作動させ、その結果をブロックチェーンに自動的に記録する仕組み」だ。

スマートコントラクトは、Aさんからの注文によって発動され、実行される。

そして、こうした取引を行ったことがブロックチェーンに記録され、公表される。

これによって、中央集権的な管理者なしに、取引を行うことが可能になる。

このようにスマートコントラクトを実行することで中央集権的な管理主体なしに事業を進めていく組織を、DAO(分散自立型組織)という。

 

DAOの拡張:金融以外の事業への部分的導入

現在行われている様々な事業を、DAOで運営することが考えられる。

今は人間が行っている作業をAI人工知能を用いて自動化し、事業の運営をスマートコントラクトで行えば、人間が全く関与しない完全無人企業を実現することができる。

事業を全体としてDAO化できるものは、金融以外にもある。

例えば、オンラインショップは、かなりの程度までDAO化できるだろう。

現在すでに、銀行APIに接続することによって、経理や給与支払いの事務が自動化されつつある。

これをDAO化することが可能だろう。

 

API公開への動き

「オープンAPI」が登場した。

APIとは、異なるデータシステムを連結する仕組みだ。

つまり、「あるアプリケーションの機能や管理するデータなど、他のアプリケーションから呼び出して利用するための接続仕様」のことである。

データ利用者は、API使用に基づいてアクセスすれば、データを取り出すことができる。

「オープンAPI」とは、外部アプリとのあいだで、コミュニケーションや連携ができる状態にすることだ。

 

仮にDeFi が現実通貨を扱うなら、現実の決済業務を任せることができるだろう。

純粋に技術的な観点だけからいえば、これは現在でも、さしたる困難なしに実現可能と思われる。

 

DeFi (分散型金融)は、バブルか、未来の金融か?

DeFi は、無人の金融取引

「DeFi 」(ディーファイ)と呼ばれる新しい金融の仕組みが急成長している。

これは、パブリック・ブロックチェーンを用いて、決済、融資、証券、保険、デリバティブ、予測市場などの金融取引を行う仕組みだ。

銀行のような中央集権的金融機関なしに金融サービスを提供する。

 

私(チキハ)の感想です。

みなさん、ついて来てますかー。

管理者のいないビットコインは、取引所という中央集権的管理者が必要になって、理想から離れてしまいます。

DeFi は、その欠陥を補っているようです。

私は読んでもよく理解できません。

ブロックチェーンの仕組みは金融だけにとどまらず、事業にまで展開しているのには驚きました。

未来の店舗は、電子マネーによる購入データをもとに仕入や配置が自動化されます。

現実化するのは遠くないかもしれないなと思いました。

データを制するGoogleやFacebook の覇権など、新たな問題もあります。

GAFA +Mの時価総額は、東証1部上場企業の時価総額を超えます。

それら寡占の禁止と個人情報保護などふくめて、これからどのようになっていくのか、社会全体はどうなってゆくのか、興味深いです。