『エンパス』(クリストファー・ロスチェスター、2022)
ここに書かれているナルシストは、私の父親や、姉や、元夫によくあてはまります。
しかし、ここでも白と黒の境界ははっきりとはしていなくて、暗めの灰色な感じです。
エンパスは私によくあてはまります。
人と親密にならない、一人でいる、自然の中でいるなど意識しないでもそうしていたことが、必要だったのだとわかりました。
いわゆるHSPといわれる匂いや味などの五感に敏感な人とは違うんです。
いろいろと情報を見ている中で、理解を広げることができて来たんですけれども。
私の場合ですが、人やものが出している気配みたいなものが分かる、そして吸収してしまう。
人の感情や思考や、その背後にあるその人の物語が伝わってくる。
それが障害となるのは、非難、中傷、不安や裏切り、映像で見る殺人や事故や災害など負の強烈な刺激です。
こういったものから身を守る壁が薄いからです。
普通の人の身を守る壁がドアだとすると、エンパスは網戸のようなもののようです。
この本のような精神や心理に関する情報は、それだけを見ると偏った印象を受けるものが多く、実際、精神科の医者や、カウンセラーの自殺率が他と比べても高いように、かえってこじらせることも多いと思っています。
この本の特徴は、科学的な説明がされているところですが、本の冒頭にもあるように必要であれば自分で調べて検証してください。
それでも自分や他人を理解しようとする人には多くの気づきを与えてくれるものだと思います。
<以下一部抜粋・要約>
エンパスとナルシストはお互いに惹かれ合うことがよくあります。
つまり、正反対の人が惹かれあうということですね。
これらの正反対のものは、ほとんどの場合、間違った組み合わせになります。
エンパスは感情のスポンジであり、無私無欲で自分のニーズを満たすことができるため、ナルシスとにとって非常に魅力的です。
ナルシストは他人に対して共感を持ちませんが、エンパスは周囲の人々の感情的なニーズに非常に敏感です。
これはナルシストが最も重要に利用します。
エンパスは劣化し、ナルシストは周囲に混乱を引き起こします。
エンパスはナルシストの行動すべてを許し続けます。
エンパスは、ナルシストが何に対しても共感を持たないということを信じがたいことが多いため、エンパスは調和を目指して努力し続けるのに対し、ナルシストはその反対を目指します。
セラピストであり、「隠れた虐待からの癒し」という本の著者であるシャーマン・トーマスは次のように説明しています。
「彼らは自分の非を認めるような瞬間はありますが、実際にはそれを最後まで貫いたり、信じたりすることはありません。」
エンパスはパートナーの成功を手助けし、成長し続けるパートナーになりたいと思っていますが、実際にはナルシシストはパートナーの親切で思いやりのある性質を利用しているだけです。
この綱引き関係は、いわゆるトラウマの絆を生み出す可能性があります。
虐待者が一連の戦術やサイクルを使って、パートナーを虐待者のケアに依存させ、両者の間に不健全な絆を生み出すことです。
エンパスの背後にある科学
- ミラーニューロンシステム 思いやりを担うと考えられている特殊な脳細胞のグループです。エンパスは過剰に反応するニューロンを持っていると考えられている。
- 電磁波 心臓と脳の両方が電磁波を生成するというものです。フィールドは人々の考えや感情に関する情報を伝達することができます。エンパスはこれに特に敏感で、それに圧倒されてしまう可能性があります。
- 感情の伝達 感情伝達は、感情とそれに関連する行動の突然の広がりを伴う社会的伝染の一形態です。人々はグループ環境でお互いの感情を理解しあうことがよくあり、感情を同期させる能力が健全な関係の鍵であると言う研究者もいます。
- ドーパミン感受性の増加 ニューロンの活動を増加させる神経伝達物質であるドーパミンが関係しており、多くの場合ポジティブの経験や反応に関連しています。内向的なエンパスは外交的な人々よりもドーパミンに対する感受性が高いことを発見しました。これは実際には幸せを感じるためにドーパミンをあまり必要としないことを意味します。
- 共感覚 ミラータッチ共感覚です。脳内の2つの異なる感覚がペアになることが多い神経学的症状です。たとえば、あなたやあなたの知っている人が特定の曲を聞いたり、言葉を味わう能力を聞いたりすると色が見えるかもしれません。エンパスはそれをさらに進め、ミラータッチ共感覚により、自分の体の中の感情や反応を、あたかも自分自身が体験しているかのように感じることができます。
私(チキハ)の感想です。
上記の「ミラータッチの共感覚により、自分の体の中の感情や反応」というのは、人の体験を聞いたり見たりしたことで起こる感情や反応を、自分自身が体験しているかのように、という意味かなと思いました。
これは他のエンパスに関する情報の中にもよく書かれていることです。
私はしばらくこのことについて想いをめぐらせました。
私は自分の気持ちや感情を、意識できていたのだろうか。
さて、正直に言います。
私もどちらかというとライトグレイ(灰色でいいだろ(笑))のナルシストでした。
心理学の本を読む時期もありました。
そのころは、周りの人が悪いので、自分が直すなんて思っていなかったのです。
ですから、ここに書かれているナルシストは自分の非を信じない、ということが分かります。
それから、私を愛する人が出てきたときに、それまで偽りの自分を見せていたのに、反対の方向に向かってしまう、ナルシストを出してしまうことも分かります。
偽りというのは、社会性を保つのに受けのいい自分の一面です。
ナルシストの面は、惨めな自分を防衛しているといえるかもしれません。
私の場合は、子供のように成熟していない心が、負の感情の扱いを知らない状態だったのかもしれません。
私が純正のナルシスト(こんな表現)ではないと言えるのは、親切にしてくれた人を覚えていて、あのような人になりたいという思いがあったからです。
私は、負の感情の解決方法を知りたいのです。
私はそれらの方法を色々と試しています。
そして、私は自分を守る方法も色々と試しています。
この本では自己催眠を紹介していました。
また、瞑想、ヨガ、自然の中、一人の時間など取り入れるといいようです。
そのときにこの共感力を利用できそうです。
共感するのは、植物や動物というところまでは、なるほどと思いましたが、地球や宇宙というと少し飛んだ感じがします。
本当をいうと、この辺りまで意識を伸ばすことを知って、私は落ち着いていられるような気がしています。
人の感情から遠く離れることができます。
そこは、平和です。
地球や宇宙から得た共感を、自分を通じて人に与えることができると書かれています。