ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

空海の恋

24歳くらいの頃、本で読んだ空海の恋に憧れて、それを話した人はもういない。

一途な恋や、世界に一つの物語をつくりたという私の純心は嘲笑された。

男性は、現実を生きていて、女性のロマンチックを受入れがたい。

「女って」とその人は言っていた。

今思い返すと、執着とエゴが取っ組み合いの原動力だ。

私は、空海の恋に憧れるブタである。

空海は、恋に苦しんだのだろうか。

解脱したのでは?と調べていると、

「衆生の救済をするため、あえて解脱せず」ということを知り、熱いものがグワッと上がってきた。

本の題名は忘れてしまった。

検索していたら、こちらの書いた文章が私の記憶と近かったので、お借りした。

インスタを見ていたら、素敵な絵を描かれていた。

尼が祈りを捧げているのだけれど、存在の静かさと奥の方にエロティシズムがあるようで、他の作品にもそれが感じられたので、この作者の哲学的なものが反映されていると感じた。

「zauber0」さんのインスタより抜粋。

そんな空海が愛した女性、『真名井御前』が今回の作品のテーマ。
真名井御前は803年(空海が29歳の時)、日本で一番古い直系の家系図を持つとされる籠神社(真井神社)の宮司、海部(あまべ)氏のもとに生まれ、厳子(うついこ)と名付けられます。厳子は物心ついた頃から如意輪観音を礼拝し真言を唱える日々を過ごしていました。
20歳のころには淳和天皇の第四妃として宮中に迎えられますが、気品あふれる美貌を持つ真名井御前は女性陣からの嫉妬に苦しむことになり、宮中に迎え入れられてから6年が経った頃空海は真名井御前を西宮の甲山に逃がします。
淳和天皇からの呼び戻しが何度もありましたが、空海は真名井御前を仏門の元に保護。
子供の頃から慕い続け、やがて愛し合う仲にあった空海と再会しますが、身分の違いや帝から最も寵愛を受ける女性という立場からも、結ばれない運命に空海も真名井御前も相当に苦しんだとされている。
位のある高僧であったものの、身分の高い女性、さらに僧という立場でありながら帝の女性を愛する、そんなことが許されるわけもなく、やがて二人は真名井御前が妊娠していることを知り二人は即身仏となることを決意します。
3月20日、空海は高野山に入定。
翌3月21日、真名井御前は高野山に向かって合唱礼拝し、如意輪真言を唱えながら入滅する。
作品はこの瞬間を切り取ったもの。涙を流しながら高野山に向かってそっと手を合わせる真名井御前。
互いに愛し合っていながら結ばれない運命という宿命を背負い、熱い思慕の念を胸に空海の真言を唱え続けた。
真名井御前、わずか33歳。
その翌日3月22日、空海の入滅。62歳でありました。