幼少期に受けた深いトラウマが落とす影。
例えば私は、父親が神経症だったことを知らなかったし、それがどう自分に影響するのかも知らなかった。
それを、知るようになったのは随分大人になってからだ。
それが原因で、思考が固定しているという箇所を、自分で突き止めるしかない。
しかし、一筋縄ではいかない。
私の理解できないことが無数にあるはずだ。
父親の資質は、先祖も関係してくるだろう。
日本人の集団の記憶や意識の中に、生物や地球の中に、見えない霊の中にも。
斎藤一人さんは、自分が上に抜ければ悩みは消えると言っていた。
どうやって上に抜けるのか。
何かの本で印象的だった話がある。
宗教家が、自分の限界を嘆いて「神にすべてをゆだねます」と言った後に、景色がスーッと輝きだして、それから疲れることなく働けるようになったというものだ。
その話はずっと私の中にあった。
あるときいつものように公園を散歩していたら、スーッと景色がクリアに見えたことがあった。
もう何年も前のことだ。
そのころ離婚や病気やあって、孤独だった。
ヨガや瞑想を始めていた。
人の成長はスパイラルで成長するということだから、急に何かが大きく変わったわけではない。
しかし、思い返すと、私は少しずつ変わっていった。
ここ数か月の間、夜空を見て、星や月を見たり、風を感じたり、樹を触ったり、鳥が伝えることを感じていた。
宇宙からの青白い光が私の背骨を通って、隅々まで満たすイメージをした。
普段の生活の中では、深呼吸をした。
自分のまわりに、光の繭を作るイメージや、クリアなパネルを盾にするイメージをして、自分を外界から守る方法を試した。
なぜそんなにムキになっていたのだろう。
それは、過去の苦しい思い出が蘇って私を苦しめていたからだ。
現在の嫌なことも、私を苦しめるからだ。
先日、とても不思議な体験をした。
周りにいる人たちが、同じ価値を持つと感じたのだ。
そのとき私は安全な中にいる。
だから、外の世界は美しいと思うのだろう。
この世界は神の表現なのだ。
一瞬、そんな気がした。