夜。
こたつに入って、ひとりでテレビを見ている。
天井の灯りは消えている。
こたつの明かりだけが、
丸く、床に落ちている。
その輪の外は、暗い。
テレビの中で、誰かが大きな声で笑う。
拍手も、軽い。
部屋は、しんとしている。
光が揺れて、壁をかすめる。
触れたようで、触れていない。
こたつの中で、
わたしは自分の手を握っている。
少し、強く。
テーブルの上に、絵の本がある。
お父さんが買ってきたもの。
わたしの絵を、
ほめたことはない。
本は閉じたまま、
そこにある。
こたつの中はあたたかい。
部屋は、ひやりとしている。
テレビの笑い声が、遠のく。
わたしは、暗い壁を見る。
目が慣れてくる。
まっ黒ではない。
そのとき、
小さな光がある。
ほんとうに、小さい。
蛍みたいだ。
動かない。
追わない。
つかまえない。
ただ、そこにいる。
部屋は変わらない。
テレビはまだ笑っている。
光は、小さい。
わたしも、ここにいる。