ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

16話 体育教師の被害者

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7月14日

今日は犬山先生にひどい目にあわされた、いわゆる同志、坂本さんに誘ってもらい、初めて顔を合わせることになりました。

指定された「パンケーキカフェ」でランチをとりながら、同じく被害者である佐藤さんと3人で話すのです。

ランチもそこそこに、話を始めました。佐藤さんの上の子が20才になるのですが、同じ港北高校に通っていたのだそうです。

そして当時から犬山先生の噂はあったようなのです。上の子が言うには「犬山先生は昔、水球部と何かあったらしい」のです。

 

坂本さんが、水球部の顧問に犬山先生の行為を訴えると、非常に怒りをあらわにして「ローカル紙に言えばいい」と言っていたそうです。

この顧問が何か知っているのではないでしょうか。しかし、その熱血の教師は異動になり、犬山が(みんな呼び捨て)残ったのです。

 

「一つの部活を、執拗に、ルールから離れて、代々という言葉からすると」最初に副校長が言っていた言葉の通りではないでしょうか。

過去にあったいさかいを根に持って、水球部にいやがらせをしているのか、と思えてきました。

調査をすればいろんな事実が出てきそうです。<やっぱり奴は黒じゃねーか〉と思うけど、それがはっきりとしても、

金ちゃんが学校に戻ることもないでしょう。それに犬山先生も、もう大っぴらに出来ないでしょう、みんなにばれているのだから。

 

佐藤君は無理をして持久走を走ったせいで悪化したヘルニアの手術から復帰し、今は普通に学校に通っているようです。

坂本君も犬山先生をかわしかわし、なんとかやっているとのことです。

 

佐藤さんは、体育祭に着るTシャツの背中に「ヘルニアだもの」と書けばいい、と言い、

坂本さんは「ホッチキス」と書けばいい、と言って、私は大笑いをしてしまいました。

<なんでここに笑いを持ってこれるのだろう。

この人たちはスゴイなぁ>。

坂本君は、「考えようによっては、金ちゃんは学校で単位をとる時間を、受験勉強にあてられるからいい」

という話に目を輝かせて「それがあったか!」と言っていたとかで、その軽い受け答えにまた笑ってしまいました。

 

そして、どうしたらよかったのか、という話になりました。私は自分の調べたことと体験を話しました。

まずは担任、そこから管理側のトップスリー、確認を取ってからの教育委員会。そこでらちが明かないので、

子どもSOSからの、教育委員会。

 

それが駄目なら、文部科学大臣。違う方法なら、警察、弁護士、裁判。

 

水球部の顧問が、ローカル新聞に言えばいい、と言ってたそうですが、プライバシーがさらされるのでは?と思いました。

今思うのは、PTAに言うことも圧力がかけられたのでは、と思います。それで何か行動をとってもらえる、とかではないとしても。

あとは、みんながやってる方法。本人の対応の方法でしょうか。かわすことが出来るようになること。

「相手にしない、あいつ(犬山)はどーしよーもない」とは佐藤君の感想だそうです。色々な生徒の声を聞くと、

「みんなあいつが嫌い」なんだそうで、なんとか相手にしないように受け流しているのでしょう。

 

 

 

私と金ちゃんだけではここまで強気を出し続けることは出来なかったと思います。またこの会も私を

「励ます会」だとかで、人情の厚い人たちだと思いました。特に佐藤さんは、直接な被害を受けたわけでもないのに、

わざわざ学校まで出かけて行って、証言をしてくれたのです。私にとって人の情に触れる本当にいい経験になりました。