5月8日
私は、教育委員会に電話する前に、考えをまとめようと今までのやりとりを書いてみました。
いじめの重大事態であることを学校、教育委員会ご報告してから、2ヵ月になろうとしています。
子供は学校に行こうとすると腹痛が起こり、やはりお休みをするということを繰り返しています。
初めに学校側に対する要望としまして、子供の書いた嘆願書と、私の書いた手紙の中で、「いじめの重大事態に関するガイドライン」に沿って、進めてほしい旨をお伝えしました。
初めの面談の時に、副校長先生から、「『犬山教諭は、言っていない』と言っている。初めに受けた傷がもとで、そう捉えるようになってしまった」
と言われ、教頭先生からは、「アンケートは難しい」と言われました。
私は、「他にも、被害を受けている生徒がいます。うちの子供の問題だけではない」と訴えました。
そして、その時は犬山教諭にきつい指導をして頂くことで帰りました。
その後、教育委員会に電話をして、事の経緯を伝えました。すると「学校への指導ですね」という返事でした。
折り返し電話があり、「人間ですから(犬山先生のことか)、学校側も今すぐできること、中期的にできること、長期的にできることがあります」という事でした。
子供は私が「行かなくていいんじゃない?」と言うと、ほっとした表情をうかべ、顔に生気が戻ります。そのうちに行けるようになるのではないか、もし行けなくても、色々な選択肢がある。と考えていました。
しかし、子供の学校に行きたい思いは変わりませんでした。
新年度になり、校長と教頭が異動になりました。
4月25日に新着の校長と副校長と面談をしました。副校長は「そう、思うようになった」と前回と同じ意見でした。校長は「いじめという考えは、私の頭にありませんでした」と言いました。
「どうしたらいいのか、言ってください」と言われたので
「『犬山先生の顔も見たくない、学校には行く』と言っています。
先生、私の方が、どうしたらいいのか教えてほしい。いじめの最後はどのように解決されるのか調べてみますと、被害者に対する理解と、深い謝罪と書いてあるものもあります」と言いました。
校長先生は「金ちゃんは犬山先生と話せますか」と言いました。
私は胸が詰まるような思いがしました。金ちゃんはひどく心を傷つけられ、顔も見たくないと苦しんでいるんです。
「わかりません、聞いてみます」と言って家に帰りました。
金ちゃんに聞くとうつむきながら、首を横に振りました。
他の保護者佐藤さんが、教育委員会に電話で自分の子供の被害を訴えました。そして翌日に校長と面談をしています。
その翌日に坂本さんがやはり、教育委員会に自分の子供の被害を訴え、5月2日に校長と面談をしています。
5月2日に校長から電話があり、「犬山さん、には『ここにいさせてもらっているのよ。あなたも大人げないんじゃない』と言うと、犬山先生は、『言っていない.。自分は悪いことをしたと思っていない』と言っている」と聞きました。
子供はショックをうけて、「もう学校へ行く気が無くなってしまった」と言っています。
私はこのままでは、子供があまりにかわいそうだと思いました。そのまま引き下がって、腐らせるわけにはいかない。
学校は「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」に書かれている考え方や、方針などには全然ふれていません。
次の日、校長に「いじめ、と認定して頂いて」と言うと「いじめとは思っていません」と答えられました。
ここまで書いて自分を落ち着かせると、教育委員会に電話をかけました。木村さんが出張で留守でしたので
何をするも手につかず、文部科学省の「子供SOS」いじめ問題を含む子供のSOSに対する文部科学省の取組:文部科学省に電話をかけました。
そして先に書いた内容を簡単に説明しました。
子どもSOSの三島さんは、以上の話を簡単に説明すると聞いていて、嘆願書があることを聞くと聞く態度が変わりました。私はその一部を読み上げました。
するとこう言ったのです。
「母さん、いじめ防止の大事な法案があるんです。被害者優先が大事な趣旨です。前とは変わっています。
校長がいじめと思っていないと言ったのは引っかかります。
嘆願書を持って教育委員会にお父さんと2人で行ってください。
心が苦しいんです。受験の大事な時期なんです。早く苦しみから解き放ってあげてください。
手をこまねいている場合ではありません。
体育の授業でのことで、部活とは関係がない。顧問はなぜ黙っているんだ。
学校は2ヵ月も何をしてるんだ。教育委員会が動かなければ、被害届を出してください。
法律に訴える、弁護士を立てる方法もあります。
お母さん気持ちを強く持ってください。
そして早く編入なりの手続きをしてください」
弱っていた私の心が、強く押されたように感じました。今までで一番分かってくれた人でした。やっと分かってくれる人に出会ったのです。
しかし、三島さんでさえ、教師を異動させること、出勤停止、の言葉はありませんでした。私はこの時はっきりと、金ちゃんが辞めるしかないことを、さとりました。
金ちゃんにもそのことを言いました。
こどもSOSの三島さんが、「教育委員会にもいろいろあります」と言って教えてくれた「県立学校生徒支援グループ
(メモはこう書いていましたが、聞き間違えているのかもしれません)」http://www.pref.kanagawa.jp/docs/vn7/index.htmlに電話しました。
そして、同じ質問にいちから答えて、へとへとになりましたが、聞けたことは
「被害届、出していいですよ」
「え、そうすると、そちらにもなんらかの連絡、ご迷惑がかかるのでは」
「いいですよ」
と言われたのです。戸惑いました。
保護者が被害届を出すことは教育委員会にとって、教師にとって、たいしたことないことなのでしょうか。
それに、「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」によると以下のように書かれています。
第1 学校の設置者及び学校の基本的姿勢<抜粋>
(基本的姿勢)
○学校の設置者及び学校は、いじめを受けた児童生徒やその保護者のいじめの事実関係を明らかにしたい、何があったのかを知りたいという切実な思いを理解し、対応にあたること。
犬山先生と、金ちゃんの意見の食い違いを、明らかにするには警察の手を借りるしかないのでしょうか。
「そう思うようになってしまった」
と言ったのは副校長です。
金ちゃんの感じ方が原因であると言っているようです。
しかし、それだけで済ませていいのでしょうか。
学校内での出来事であることや、犬山先生の授業中で、犬山先生の言動や態度については、どう思っているのでしょうか。
他にもそう感じている生徒がいる事実についてどう思っているのでしょうか。
校長は、「『いなくなればいい』、とまさか、銃で無差別に乱射するような育て方はしていないと思います。犬山先生にもいいところがあります。
犬山先生がいなくなれば、(学校に)来れますか」と言いました。
「金ちゃんの感じ方を変える」
「犬山先生がいなくなる、ならない」
「恐怖を感じて学校に来れなくなった被害者と、自分は悪いことをしたと思っていない加害者が話し合う」
以外になにか方法はないのでしょうか。
それは、金ちゃんの嘆願書と事実と原因の全容の解明によるのではないでしょうか。
警察に被害申告する方法としては、「被害届」と「告訴状」があります。
被害届とは、単に「被害を受けました」という申告書です。警察がその内容を見て、必要だと判断したら実際に動いて加害者を逮捕することになります。
これに対し、告訴状は、「被害を受けたので相手を処罰してほしい」と警察に申し立てる書類です。
金ちゃんが何か月も学校に行けない原因を作った犬山先生に「傷害罪」で起訴することができるようだと調べてわかりました。
しかし、そんなことまでしたくない、というのがほとんどの人が思うことではないでしょうか。
学校運営者が、ほかの高校で問題を解決した方法とか、経験からのアドバイスを聞けるようなところはないのでしょうか。
私は、教育委員会がそのような拠点なのかと思っていたのですが。