経済の本
『続・善と悪の経済学 資本主義の精神分析』(トーマス・セドラチェク/オリヴァー・パンツァー、2018) <以下一部抜粋・要約> 経済の肉体と魂と精神とは 経済の「肉体」面を分析する試みは、これまでに実体経済や、原料、機能、会計、産業、生産と消費等…
『善と悪の経済学』(トーマス・セドナチェク、2015) とても興味深い本です。 経済学を神話から現代にかけて、幅広い観点から書いているところが特色です。 最後の章ではこのように書いています。 「本書を通じて、私は、数学的モデルに依拠する還元主義的…
『経済は、人類を幸せにできるのか?』(ダニエル・コーエン、2015) <以下一部抜粋・要約> 格差拡大と中流的幸福の没落 戦後、フォーディズムと呼ばれる生産システムが普及し、企業は家族の延長だとみなされ、その黄金時代が訪れた。 1950年代、このよう…
『超訳「国富論」』(大村大次郎、2018) <以下1部抜粋・要約> はじめに 「神の見えざる手」は誤解されている 国富論は、1776年にイギリスのグラスゴー大学の教授であったアダム・スミスが書いたもので、経済学の起源ともされている名著です。 国富論とい…
『貧困の経済学』(マーティン・ラヴァリオン、2018) <以下1部抜粋・要約> 第1部 貧困の思想史 貧民は…絵画での影のようなもの、コントラストとして存在する。 フィリップ・ハケット、1740 よほどの馬鹿者以外は、下層階級は貧しいままにしておかなければ…
『スモールマート革命』(マイケル・シューマン、2013) <以下一部抜粋・要約> ウォルマートからスモールマートへ スモールマート革命 アメリカおよび世界中で受け入れられつつある資本主義的な代替案がある。 それは地元オーナーシップ・輸入代替主義であ…
『グローバル経済の誕生』(ケネス・ポメランツ、スティーブン・トピック、2013) <以下一部抜粋・要約> 米国は、資本と生産物がいかなる制約も受けることなく、自由に動き回れる体制を築くために、最も重要な政治的役割を果たしているが、世界最大の貿易…
『データエコノミー入門』(野口悠紀雄、2021) <以下一部抜粋・要約> はじめに 日本はこれまで、ビックデータの活用に立ち遅れた。 日本経済衰退の根本的原因は、工場や店舗でなくデータが基本的資本となる「データ資本主義」に対応できなかったことだ。 …
『くそったれ資本主義が倒れた後の、もう一つの世界』(ヤニス・バルファキス、訳江口泰子、2021) 著者のバルファキスは、ゲーム理論や政治経済学を専門とする経済学者です。 2015年には、債務危機に陥ったギリシャの財務省に就任し、緊縮財政政策を押し付…
『財政危機の深層』(小黒一正、2014) ちょうシルバー民主主義時代に、専門家の意見が聞きたい。 <以下一部抜粋・要約> 「シルバー民主主義」の台頭 経済学の祖、アダム・スミス以来、資本主義経済下では通常、資源配分の効率性を高めるため、市場の活力…
『「見えない」巨大経済圏』(ロバート・ニューワース、訳伊藤真、2013) 先進国が衰退していき、新興国が台頭していくといわれています。 ここに書かれているのは、発展途上国です。 彼らは、先進国のような暮らしにはならないだろうと書かれています。 大手…
『WORLD WITHOUT WORK』(ダニエル・サスキンド、訳上原裕美子、2022) 未来のテクノロジー失業の脅威 <以下一部抜粋・要約> 垣間見える未来 本書で考察していくとおり、この先に待ち構える根幹的な難問、それは分配の問題だ。 技術進歩は人類全体をかつて…
『公共貨幣入門』(山口薫/山口陽恵、2021) 私たちが普段使っている「紙幣」は、公共貨幣ではない! 表の定義です。 「公共貨幣とは、議会や政府又は時の権威・権力者が無利子で発行する貨幣である」 私たちが使っている、硬貨と紙幣のうち、硬貨だけが、…
『世界はすでに破綻しているのか?』(高城剛、2014) <以下一部抜粋・要約> 国家財政破綻、人はどう生き延びたのか? アルゼンチン 国民は誰もお金を信用していない ボカ地区に向かうと、一角にあるカフェの中でマーケットが開かれていた。 焼きたてのパ…
『二宮金次郎』(二宮康裕、2013) Twitterを見ていたら、岸田内閣の総合経済対策について、「そうじゃないやろ、減税やろ、せやろがい」と説得力のあることを言っていました。 せやろがい@九州ツアー中 on Twitter: "総合経済対策29.1兆円の使い道について …
『そして、生き残るのは日本だけ!』(増田悦佐、2013) <以下一部抜粋・要約> 輸出は今では4割が円ベースになっている 今、日本の輸出製品のうちの4割は円ベースになっている。 つまり、4割は円安になっても、何の得もない。 その輸出に比べると、輸入で…
『データが語る日本財政の未来』(明石順平、2019) <以下一部抜粋・要約> 国債とは何か 国債とはどういう法律に基づいて発行されているか 一般的に「国の借金1000兆円」と言われているのは、公債と政府短期証券、借入金のことだ。 まずは建設国債のことか…
『プレップ経済倫理学』(柘植尚則、2014) これから日本の経済は、どうなってゆくのでしょうか。 この本を読むと、修正資本主義というのが、今の日本の経済のようだ、ということがわかりました。 格差や、不平等を解消しようとした福祉国家は、ヨーロッパで…
『世界の99%を貧困にする経済』(ジョセフ・ E ・スティグリッツ、2012) 経済ニュースでは見えてこない内容です。 問題は、経済よりも、政治なんですって。 <以下一部抜粋・要約> 日本の読者へ 日本人は繁栄を幅広く共有できたのか 不平等はグローバルな…
『それでも百姓になりたい!』(今関知良、2000) 著者は、脱サラで農家になりました。 実際のところ、農業で暮らしていけるのでしょうか。 本書はその疑問に答えます。 「農水省のデータでは、土地を持っている農業者1人の年収が90万円を下回っている」と書…
『人々のための資本主義』(ルイジ・ジンガレス、2013) 著者はイタリア生まれですが、イタリアに嫌気がさして、アメリカへ渡りました。 イタリアでは、実力ではなく、クローニー(縁故)が出世の鍵だからです。 しかし、実力主義、自由の国アメリカは、変わ…
『書物と貨幣の五千年史』(永田希、2021) 世界最初の書物は、税の記録だった。 <以下一部抜粋・要約> 『資本論』における時間 思想家で哲学者のカール・マルクスは『資本論』を、商品と貨幣について語ることから開始しています。 産業革命の直中、近代文…
『使える経済書100冊』(池田信夫、2010) 「経済書読み」のプロが厳選した、経済書の解説本です。 ありがてえっ。 『資本論』は専門家でさえ、完読している人は一握りだとか。 そんなん、あたしによめるはずないよね。 <以下一部抜粋・要約> 『哲学する民…
『資本主義に出口はあるか』(荒谷大輔、2019) 私たちがいま生きている「この社会」は、ロックとルソーの思想の上に建っています。 その思想の大前提は、デカルトの「我思う故に我あり」です。 筆者は、その大前提を、疑います。 土台を崩したら、建物が崩…
『コロナ後の日本経済』(須田慎一郎、2020) コロナ後の世界はコロナ前とは違うでしょう。 これまでも日本は構造改革を先延ばししてきました。 問題がコロナによってあらわになってきています。 著者は変革のチャンスだと言います。 大きく変革をとげること…
『「AI資本主義」は人類を救えるか』(中谷巌、2018) 人工知能(AI)が人類の知能を超える日も近いです。私よりも私のことをよく知っています(YouTubeとかアマゾンでおすすめに出てくる)。データで解析をするから客観的にわかっています(精度はモノによ…
『MMT(現代貨幣理論)とは何か』(島倉原、2019 ) 日本は国債(お金を借りたので、少し多めに返しますという証書)を大量に発行している国です。 その額はGDP(日本国内でつくられた、モノやサービス)の2倍を超えています。 2020年はコロナの影響もあり、…
『金融は人類に何をもたらしたか』(フランクリン・アレン/グレン・ヤーゴ、2014 藤野直明 監訳、空閑裕美子 訳) この本のキーワードを簡単に説明しておきます(出どころは、色々)。 金融とは 金銭のやりとりを指すこと イノベーションとは 物事の「新機…
『格差と不安定のグローバル経済学』(ジェームズ・K・ガルブレイス、訳 塚原康博/鈴木賢志/馬場正弘/鎌田亨、2014) 著者は、主流派経済学者とは一線を画する立場をとっています。 実証分析(統計的なデータで検証する)を用い独自の視点をもちます。 結果…
『スモール イズ ビューティフル 再論』(E.F.シューマッハ 訳 酒井 懋、2000) ほっといたらお前らだってそうなるんだぞ、ってスミマセン。誰か(私の中の)がそう言ってたもんで。 なぜこんなに生きるのがくるしいのでしょうか。 この本の中で気になった内容は…