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ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

その場の空気

『円が消滅する日 』(山田順 、2012)

 

まえがきには、このようなことが書かれています。

 

2012年 、 政府も財務省も 財政破綻の警告を行っていて、 朝日や読売のような大新聞から NHK まで 財政破綻関連の報道を するようになった。

 

「円が消滅する日」は 確実にやってくる。

 

円はお金ではない。

 

端的に言って 、昔も今も、 そしてこの先も 、お金とはドルのことであり 、それ以外ではない 。

 

国家が破綻すると言っても、 別に日本がなくなるわけでも、 日本の歴史が途切れるわけでもない。

 日常生活は続いていく 。だから、その時は、 これまでよりももう少し賢く生きようというのが、私の願いだ。

 

〈以下一部抜粋・要約〉

 

お金とはドルのことーーー 日本円はお金ではない

 

世界には国や地域の数だけお金がある。

 しかし、 このうち本当にお金と言えるのは今のとこドルしかない。

 ドルは基軸通貨であり、 事実上の世界通貨だからだ。

 今の国際秩序の中では、 ドルが唯一のお金なのだ。

 

投資家はドルの崩壊など望んでいない

 

アメリカは、これまでの歴史に登場した国家の中でも 最強の帝国である 。

今後も衰退と繁栄を繰り返すことはあっても 、凋落して世界覇権を失うということは、 少なくともあと半世紀以上は考えられない。

 

あとがき

「1対99」の格差はさらに広がり、 貧しい人は今より多くなって 街の景色もどこか薄汚れていくだろう。

 

 ただ、今は21世紀のグローバル化以後の世界である。

こんな世界で 何をいまさら「 日本だ」「中国だ」「 アメリカだ」と言い合っているのだろうか?

企業活動はグローバルに世界中で展開されているのだから 、たとえ日本で職がなくても世界のどこかにはあるだろう。

 

ともかく、 経済を国対国で論じる時代はとっくの昔に終わっている。

 

それでもやはり、 なぜ、 ドゥームズデイ(運命の日)が来るのが分かっていながら 何の対処法も取れなかったのか?

 借金を重ねればやがて返済不能点を超え 、最終的には破滅してしまうのは 誰にでも分かることなのに、

 なぜそれをずっと続けてきたのか ?私たち日本人は 実はとんでもないバカなのか?

 

こういう点をきちんと解明しておく必要があるだろう。

 そうしなければ、財政破綻も 原発事故と同じ「想定外」で総括され、 誰も責任を取らず 、後世にまた同じことが繰り返されることになる。

 

いくらルールがあっても、都合が悪くなると破ってしまう 。

その決定は、結局は談合、 その場の空気で決まる。

 その繰り返しでこの国は今日までやってきた。

 

これをどうするのか? 今後は変えていくのか?

 

いずれにしても 、全てはドゥームズデイ以後に 、次の時代が決めるしかない。




私(チキハ)の感想です。

 

世界の通貨はドルで、世界は実は 一つの国です。

アメリカは海外との貿易を行っているのではなくて 国内でやり取りをしているだけです。

こう考えると、

アメリカという国が世界をどう見ているのかがわかるようでした。

 

そして、これからのアメリカがどう動くのか注目です。

 

それによって世界の進むべき方向性も決まってくると思うからです。

 

円が消滅する日 (日文新書)

円が消滅する日 (日文新書)

  • 作者:山田 順
  • 発売日: 2012/03/20
  • メディア: 新書