『池上彰のアフリカビジネス入門』(池上彰、2013)
これからはアフリカに注目、というのは聞いたことがあります。
この本を読むと、一言でアフリカと言っても、その土地に住む人たちの環境は実に様々であることがわかります。
<以下一部抜粋・要約>
世界中が今アフリカに注目しているって、知っていましたか?
巨大ビジネスのフロンティア、豊富な資源と10億人の巨大市場!
その前に立ちはだかる4つの課題
- 「物流」の近代化ーー道路が未塗装、港がぼろいと経済が止まってしまう
- 「主食」の自給自足ーー食料を輸入に頼っていると物価も社会も不安定
- 「電力」の普及ーーケニアですら普及率は20%台、文化は夢のまた夢
- 「消費市場」の創造ーー商売の前に、社会貢献で「お客さんを創る」
これ、日本の力で解けるのです!
「アフリカ」のツボが、さっぱりわからない日本人のためにJICAの宍戸健一さんに聞きました。
これだけ押さえておこう!9つのポイント
- 日本の皆さん、もはや「援助」より「投資」です!
- 政治が安定すれば、暗黒大陸から資源大陸へ
- 中国が圧倒的にアフリカで強いわけ
- 日本企業の武器は、「技術」と「おもてなし」
- 手付かずの10億人マーケットはビジネスチャンスの宝庫
- 電気が足りないアフリカを照らすのは「地熱発電」
- 欧米が見放したアフリカを救った日本の「すごい会議」
- 道路と港を整備しないと、アフリカ経済が成長しない理由
- 子供たち皆が学校に行けると、未来は明るい
日本が解く!アフリカの課題その1 物流インフラの整備
日本の取り組み
- モザンビークでは、港湾と内陸国まで数千キロの道路でつないだ「経済回廊」を開発中
- ケニアでは、インド洋のモンパサ港を「アフリカのシンガポール」にすべく港湾を拡大中
日本が解く!アフリカの課題その2 主食の自給自足
日本の取り組み
- モザンビークを、大豆ととうもろこしの1大生産地に変える「プロサバンナ」!ブラジルを穀物大国に仕立てた、日本のスゴイ農業が動き出す。
- ケニアを、お米がたくさんできる「ごはんの国」に!米作りのノウハウを伝授、ケータイでお米を売り買いする農民たち
日本が解く!アフリカの課題その3 地熱発電で電力の普及を
日本の取り組み
- 秘密兵器は、人類発祥の地、大地の割れ目「大地溝帯」の地熱です
- 火山の活発な日本は、地熱発電先進国
- ケニア・オールカリアで、日本企業が開発する世界トップの地熱発電所の中身
日本が解く!アフリカの課題その4 商売の前に「市場の創造」
日本の取り組み
商売をする前に、市場を創ろう!
ウガンダで、まず手洗い運動のCSRを始めたサラヤ
- 商売を展開する前に消費液を配り、学校や病院で「手洗い運動」を!
- 庶民の衛生状態を改善して、石鹸や消費癖を使う文化をつくる
- その後、現地法人が地元のパーム油で石鹸を製造・販売
ケニアで、中古車認定外車と月賦払いの会社を作ったトヨタ自動車グループ
- 車が欲しいケニアの庶民が、分割払いで気軽に中古車を買える
- 巨大な新車ショールームを空港近くにオープン
アフリカに好かれている日本だから援助もビジネスも、もっと JICA田中明彦理事長
- 欧米がそっぽ向いた90年代のアフリカに、助け舟を出したのは日本
- アフリカ開発会議=TICADのこと、もっと知って欲しい
- アフリカ10億人を「消費市場」に変身させるのは、日本企業の役目です
とりあえず、アフリカに行ってみませんか?
私(チキハ)の感想です。
この本をざっと眺めていて興味の持てるところがいくつかありました。
一つは「市場を創る」というところでした。
もう一つは、「地熱発電」です。
地球の内部につながる割れ目、そのエネルギーを利用する、それはとても素晴らしい考えだと思いました。
そして日本も火山が活発であるために、地熱発電の先進国であるということをはじめて知りました。
そして読み進めていて感じたのは、池上彰さんは物事の全体像を、簡潔に説明することがとてもうまいということです。
反面、深く掘り込んだ内容を知ろうと思ったら物足りなさを感じます。
この本の目的は、広く浅くアフリカビジネスを知ってもらうということだと思います。