『リスク・テーカーズ』(川上 穣、2014)
「米国は優秀な若者たちが、投資家になることを語る国である」
この本に出てくる8人の投資家は、著者が4年かけて取材をしました。
「物言う株主」として経営陣に改革を迫るダニエル・ロープ。
不正会計を見抜いて、高値をつけている企業を暴くデイビッド・アイホーン。
刺激的な行動や、発言は、注目を集めます。
そして、有力投資家が「孤高の存在」でありながら、やがて「伝道師」の顔を持つようになるとして、レイ・ダリオやウォーレン・バフェットをあげています。
〈以下一部抜粋、要約〉
バフェット「個人投資家へのメッセージ」
14年に公開された 株主への手紙は、 いつにもまして平易な言葉で満ちている。
投資で資産を蓄えるにはどうしたらいいのか。
そんな個人投資家の疑問に答えるように 、投資の基本姿勢について いくつもの 示唆に富むメッセージを投げかけた。 いくつか引用してみよう。
・ 満足のいく投資のリターンを得るために、 あなたが専門家である必要はありません。
ただしあなたが専門家でないのなら、 自分の限界を悟り、そこそこの結果を得るためのたしかな道を進むべきです。
短期的な儲け話があったら、 即座に「NO」と答えなさい。
・ あなたが投資を検討している資産に対して、 将来の収益を予測するのが 難しければ、 忘れて次に進みなさい 。
全ての投資の可能性について 予測のできる人間なんてどこにもいません。 全知全能である必要はないのです。
・ もしあなたが 投資先の 将来的な値動きに 集中しているのだとすれば 、それは予測をしているに過ぎません 。
不適切だとは言いませんが 、私も価格の予想をうまくできません 。(株価などの)予想が的中してきたという人も信用できません 。
直近で資産価格が上がっているというのは、今買うことのいかなる理由にもなりません。
・ ゲームの勝者は 、グラウンドのプレーに集中する選手です。
スコアボードに目が釘付けになっている人に勝ち目はありません 。もしあなたが 株価を気にすることなく、
土曜と日曜日を楽しめるのならば 、平日も同じことができるようにがんばってみてください。
・ マクロの意見や 他人の市場予測に耳を傾けるのは時間の無駄です 。いや、本当に大切なものを ぼやけさせてしまうという意味で有害でさえあります。
このように懇切丁寧に 投資の基本についてバフェットは記す。
そして株式に実際に投資をする際の具体的なアドバイスにも踏み込む 。
「素人の投資家の方々に良い知らせがあります。 長い目で見れば 。アメリカのビジネスは 素晴らしい働きをするでしょう」
ダウ平均は20世紀 66ドルから 12497ドルまで上がった。 21世紀だって 将来的に右肩上がりになるのは間違いない。
となれば 、投資家が目指すべきなのは、 勝者となる企業を必死に探すのではなく、 米企業が展開するビジネスを丸ごと手中に収めることだ。
「 低コストの S & P 500種株価指数のインデックス投信が この目的を果たしてくれます」
バフェットは こうメッセージを送った。 自らの投資眼で 有望な企業を誰よりも早く見つけ、
それを長期に保有することで 比類なき投資家になったバフェット。 そのバフェットが、
一般の個人投資家に勧めたのが 株価指数に連動するように設計された 低コストのインデックス投信だった。
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