『大丈夫何とかなる』 (澤上篤人 、2012)
日本初の独立系投資信託会社「さわかみ投信」創立者。
副題に「 貯金ゼロから始める軽やかな生き方」、とあります。
学者とか論者ではない著者が 、今を不安に生きる人に伝えたいこととは。
忙しい人は、最後に書いてあるところだけでも読んでみて下さい。
〈以下一部抜粋・要約〉
Q3. 投資ってギャンブルみたいなものじゃないんですか?損をしそうで怖いです。
ギャンブルのような投資をしている人は多い
俗に言う「当たるも八卦、当たらぬも八卦」で、エイヤで勝負するのを博打(バクチ)というよね。
投資家の中にも、博打のめり込んでいるのとそう変わらないような人たちが実に多い。
もちろん、
投資している本人たちにはバクチの意識はない 。相場動向を読んだり企業の業績を調べたりしてできるだけ合理的に行動しようとしている。
株を買う時なんかでも、どの投資家の皆さんも大きく儲かる夢を見てはいるが、決して「当たるも八卦」の感覚ではない。
しかし、結果的には「当たるも八卦、当たらぬも八卦」のバクチに近くなってしまう。
Q4.やっぱり投資って怖いものなんですね?
まともな人間は近づかない方がいいですよね?
まともな人間ほど投資しなくては
怖いものなんてのとは違う。 本来の投資を知らないだけだ。 とりわけ長期投資は、博打とはおよそかけ離れた世界のもので 、
ずっしりとした重みがあるものだ。
投資と言ってもいろいろある。 そんな中で「こんな社会に住みたいな」「こういったような世の中を子供や孫たちに残してやりたいものだ」
と強く思い願う方向へ、お金をどんどん回して行くのが長期投資家の本分である。
経済は、より多くのお金が流れ込む方向で 発展拡大するってこと知っているかな。
そこに投資の基本的な考え方が凝縮されているのだ。
長期投資のリターンとは
後ほど詳しく説明するが 、長期投資は「安い時にお金を投入して 、高くなってきたら利益を回収する 」という理にかなった行動をする。
だからギャンブルとは全く違うものと断言できる 。長期投資でお金が増えるのはこんな風にイメージするといい 。
投下した資金が、 思い描く社会が出来上がっていく方向で大活躍し 、経済が拡大発展した結果の分け前が戻ってくるって所だ 。
分け前が戻ってくるから 投資のリターンという。
Q9. いくら個人で 積立をしたって 長生きしたら蓄えが尽きるんじゃないかと不安です。
長期投資の魅力
20年30年の長い目で見ると、 世界経済は平均して4%成長しているし、 世界の株価もやはり平均では10%ちょっとで伸びているんだ。
これは過去140年ぐらいずっと続いているトレンドである。たしかに、5年10年ぐらいの期間では、いろいろ波乱もある。
しかし、長期のトレンドで見ると、世界経済の4%、そして株価の10%成長は、ずっと達成されているのも事実 。
そこでだ、世界経済とか世界の株価の長期的な伸びを対象にして積立して、積み立てしておいたら、あなたの蓄えはどうなると思う?
しっかり本格的な長期投資をしていくと、 20年、30年、40年経ってみると 、すごい成績が積み上がったというのはよくあること。
ヨーロッパなどで代々のお金持ちは、じっくり時間をかけた投資運用で資産を築き上げている 。彼らは複利効果をたっぷり教授して財産作りしているわけだ。
Q27. お金持って、どんな人がなれるんですか?
安月給サラリーマンの財産づくり
安月給のサラリーマンといえば こんな実体験がある 。
昔、スイスの銀行の 日本代表をしていた頃、 本店に勤めていた50歳ぐらいのおっちゃんの話だ。
自分にとっては、部下の部下に当たったから、 給料は相当に低い。4人家族を養っていくのに精一杯というところ。
彼いわく 「随分と時間がかかったけれど、 ようやく500万円ほど貯まったんです。これからは、この500万円を長期投資の運用にまわしてやれます 。
いよいよオレも『お金持ち』への道を歩み始めるのです。だから嬉しくって」とやや涙顔。
こちらはもう感動しちゃって。
欧米でも投資運用の大衆化は、たかだか30年の歴史なのよ
この話何を意味するかわかる?
所得格差が大きいヨーロッパやアメリカでは、 大多数の人々は 日本の平均な家庭よりずっと低所得に甘んじている。
生活していくのに精一杯で、 運用に回すお金なんて とてもひねり出せない。
つまり、お金持ちへの道は、人生のはじめから閉ざされたままなんだ。
ところが、一部の高所得層は収入が生活コストを大きく上回っているから、 お金は余ってしまう 。
余ったお金を運用に回しているから、 お金が働いてくれて 、さらにお金を生み出してくれる。 その繰り返しでどんどんお金持ちになっていく。
彼の場合は 勤め先の銀行が、プライベート・バンキングの雄である。
日々の生活を通して お金持ちの投資運用というものを 下っ端ではあるが手伝っている。
「 そうか、長期でゆったり投資運用していけば 、お金持ち度はどんどん上がっていくのか」を実感している。
だからようやく彼も お金持ちへの 道のタート地点に立てた 500万円の意義は大きかったわけだ。
Q28. お金持って どんなことを考えて暮らしているんですか?
凛としたお金持ちたち
ここではお金持ちの「お」を500回ほどつけたくなるような、超ステキなお金持ちを紹介しよう。
いってみれば、本物のお金持ちだ 。こんなお金持ちがヨーロッパやアメリカには結構いる。
昔の日本人もいた。 一時の成功で大きな富を えた人達とは違って、 代々富を殖やし続けている ファミリーに多い。
見事なメリハリの中に 、凛とした 清々しさが漂っているところが、何ともステキである。
社会の指導的な立場にある意識と責任を、 片時も忘れない 。それでいて、 限りなく人間的でもある。
お金を持つに相応しい生き様
自分や家族の ぜいたくに、持てる富をつかいまくるのではない 。世の中や社会に良かれと思うことに お金をどんどん使っていく 。
すごいのは、 どこへどう使うべきかの勉強を 真剣に重ねていることだろう。
彼らは “お金を持つに相応しい人間”であろうとすべく、 お金の使い方にものすごく真剣なのだ。
Q41. 投資信託は、どうやって選べば いいですか?
本格的な 長期保有型は それほど多くない
日本で販売されている 公募投信がは3800本ほどあるが、その大半も一応は長期投資をうたっている 。
ところが 長期投資をうたっている投信の ほとんどが 数年ぐらいで 消えていくのも現実である。
販売サイドが 手数料を収入を 稼ぐために、 今一番売れそうな ファンドを次から 次へと 投信会社に 新規設定させるのが、 昔からの伝統である。
そういった投信業界の 悪しき習慣に 一石を 投じようと産声をあげたのが、 直販投信のグループである。
今直販投信会社8社で、 11本のファンド を、それこそ投資家顧客に直接販売している。 財産づくりをお手伝いしようといっているのだから 、
当然のことながら販売手数料はゼロだし 信託報酬も低い。
大丈夫、なんとかなる。 「貯金ゼロ」からはじめる軽やかな生き方!
- 作者: 澤上篤人
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