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カタストロフ

『金融危機後の世界 』(ジャック・アタリ、 2009)

難しい言葉だ、“カタストロフ” とは。

“大惨事”と訳していました。

 

2008年の金融危機 は、“最終警告” だと言っています。

チャンスだとも言っていましたが、変革はなされませんでした。

 

それでは、私たちはカタストロフを経験してからでないと、新しい体制に移行できないということでしょうか。

そして、その先はどのような世界秩序があるのでしょう。

 

〈以下一部抜粋・要約〉

 

なぜ金融危機は起こったのか

 

市場はグローバル化する一方なのに 、法制度は、グローバル化していない状態では、 市場は、各国の法制度、 そしてこれが依拠する民主主義を 次第に凌駕していく。

 

20世紀後半に入り、 国家は市場を創設することも規制に乗り出すこともなく、 市場は世界規模で自己増殖していたのである。

 こうして、世界規模で法をきちんと整備できる機関が 、全く存在しない状態となった。

 

金融資本主義を 法の枠組みに追い込むために

 

我々の時代には、 今回の金融危機を、 予期せぬトラブルの範囲に収めるための 人的・金融的・テクノロジー的手段が存在する。

 

現在、金融資本主義は、 自らの過ちの後始末を 納税者に押し付けようと企んでおり 、

納税者が将来に不安を抱き、 これを渋々引き受けるよう、 金融資本主義は何でもやってのける構えである。

 

したがって問題は 資本主義に「道徳観を植え付ける」ことではなく、資本主義を法制度の枠組みに囲い込むことである。

 

これまでの経緯からも 、金融の監視が公益的な機能であることは明らかであり、 部分的にでさえも民間部門に委ねることは許されない 。

 

 緻密に設計された地球規模の規制の内容は、

 絶えず再検討される必要があるが、 この規制によって、アンバランスを予見し、 特に公的資金が銀行に注入されるような事態を避けることを可能としなければならない。

今回の金融危機は、世界を救済するチャンスでもあることを認識するべきであろう。 つまり、無秩序なグローバリゼーションは 大惨事を引き起こす可能性があるが 、今回の金融危機は、その寸前の 、“  最終警告”であるとも言えるのである。

 この最終警告を真剣に受け止めるためには、 次に掲げるシンプルな問いを 自問するべきである。

 

  • 国家単位では成功してきたことが 、なぜ地球規模では実行できないのか?
  • 世界的な統治システム (つまり超国家的な行政・警察・司法システム)をゼロから設立できないのか?
  • ケインズ主義的な福祉国家を、 世界レベルで実現することはできないのか?
  • 世界経済は 、現在の資源浪費型の経済成長を 、これからも続けていくのか ?それともエコロジーへ配慮した経済成長に転換できるのか?

 

これまでの分析に従って まずは各国経済における 秩序の立て直しが必要である。

 これは、すべての発端であるアメリカ経済から着手するべきである。

次に、規制を施し、 超国家的ガバナンスを構築する。

 最後に、 経済成長を新しい方向に導くための 、地球規模の公共事業を打ち出すのだ。



私(チキハ)の感想です。

 

ここに書かれているように超国家的な 取り組みが なされるのなら、いいですね。

 地球規模で それを望む気配を、感じています。

そういった情報によく触れるからです。

 

金融危機後の世界

金融危機後の世界