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ソ連崩壊から学ぶ 米国の崩壊

『ロシア現代史再考』(山内聡彦、2017)

ソ連崩壊で起こったことが米国でも起こると聞きます。

米国で起こることは全世界にも影響を及ぼすと思うわけです。

崩壊がどのようにして始まり、どのような過程を経るのか、歴史から学んでおきたいと思いました。

 

<以下一部抜粋・要約>

 

停滞の時代と深刻な物不足

18年間に及んだブレジネフ時代は終わった。

当時のソ連社会は「停滞の時代」と呼ばれ、安定はしていたが、社会は低迷していた。

人々は国家に頼りきり、命令を待つことになり、閉塞感が漂っていた。

計画経済は人々の日常の需要を満たすことができなかった。

トイレットペーパーもなかなか手に入らなかった。

 

ゴルバチョフの登場

長かったブレジネフ時代の後に登場したのがゴルバチョフだった。

1985年3月、ミハイル・ゴルバチョフは54歳の若さで、共産党の書記長に選出された。

ゴルバチョフは停滞していたソ連社会を立て直すため、ペレストロイカ(改革)、グラースノスチ(情報公開)、新思考外交という画期的な政策を打ち出した。

 

鉄のカーテンが消えた!

一口に鉄のカーテンの消滅といっても、それは段階的なプロセスだった。

しかしソ連で鉄のカーテンが無くなった日として1991年5月20日をあげることができる。

この日、ソ連最高会議で「ソ連国民のソ連からの出国とソ連への入国の手続きについて」という法律が採択された。

ありえないことが起こった。

鉄のカーテンの制限を体験してきた人々にとってこれは魔法のような、まるですべてのバリヤーが突然消えたような感じだった。

若者は懸命に計画を立て始めた。

外国の大学に留学する。

外国のパートナーと共にビジネスをする。

そのために何をすべきかそれほど重要ではなく、重要なのはそれが可能になったことだ。

ヨーロッパのようにまもなく自由で民主的な社会に生きることができると信じた。実際、数十年後にそうなった。

 

クーデター未遂事件

1991年8月19日、モスクワで保守派によるクーデターが起きた。

クーデターは副大統領や国防相、KGB、内相らが起こしたものだ。

ゴルバチョフは滞在先のクリミアの別荘に軟禁された。

これに対して、改革派のリーダーのボリス・エリツィンは戦車の上に乗ってクーデターを批判し、国民に抵抗を呼びかけた。

クーデターはわずか3日間で失敗に終わった。

ゴルバチョフは無事、モスクワに帰還したが、権威は失墜。

エリツィンの権力がゴルバチョフをしのぐようになった。

こうした中、バルト3国など構成共和国が次々に独立を宣言。

事件は4ヶ月後のソ連崩壊のきっかけとなった。

この事件を人々はどう見ていたのだろうか?

モスクワ市内には数百台の戦車や装甲車が出勤した。

一方、若者など非常に多くの市民が市内に集まった。

重要な事は改革やグラースノスチ、民主主義を守ろうと、人々が自分の意思で来たことだ。

 

こんなはずではなかった

ソ連からロシアへ、社会主義から資本主義へ、計画経済から市場経済へ。

ソ連崩壊によって国もイデオロギーも経済も何もかもが一気に変わったロシア。

しかし、豊かな社会を夢見た人々の期待は早々に裏切られることになる。

ロシアは1917年の革命や第二次世界大戦に匹敵するといわれる未曾有の困難に直面した。

「こんなはずではなかった」。

人々の失望感は大きかった。

 

社会の階層分化

新しい生活によく適応できたのは柔軟でプライドがあまり高くない人々だった。

イニシアチブを発揮し自分の能力を試す人。

負けてもそれにめげず前に進もうとする人。

この意味で適応が何より簡単だったのは若者だった。

彼らには古い共産主義体制の否定的な経験や強いステレオタイプがまだなかった。

 

デフォルト後にプリマコフが台頭

1998年8月、ソ連崩壊後の混乱から立ち直りつつあったロシアで突然、深刻な金融危機が起きた。

政府はデフォルト債務不履行を宣言し、多くの銀行や企業が倒産し、大量の失業者が出た。

エリツィンが進めた改革は挫折し、改革派の政府は国民の信頼を完全に失った。

 

強権政治と交代する民主主義

2000年5月、プーチンが大統領就任後に取った最初の行動はテレビを支配し政権を批判してきた有力財閥に対する強制捜査だった。



私(チキハ)の感想です。

これからアメリカに起こることを予測するのに重要なポイントは以下のようなものでしょうか。

  • 崩壊のきっかけは、最高議会で採択された法律による
  • 社会的混乱は、第二次大戦後のように凄まじいものになる
  • およそ10年は混乱が続く

 

現在の日本ですが、アメリカの属国、親会社アメリカの子会社日本と考えておくとよい、と言う人がいます。

それはどういうことでしょうか。

経済に関していえば一つは、日本銀行の株主です。

日本銀行は民間会社です。

株主の55%は政府です。

あとの45%の非公開株主となっていますが、アメリカの大手金融機関の名前を聞きます。

彼らが日銀に影響力を持っているということです。

もう一つ思い当たるのは、日本は米国債(借金)の最大保有国で、1兆ドルを超えているということです。

最近、こんな話題があります。

「アメリカ“政府資金枯渇し債務不履行も”財務長官が議会に警告」(2021年9月29日nhk)

たびたび、債務上限(もうこれ以上借金できない)を引き上げて来た米国です。

しかし今回は様子が違うようです。議会では、共和党が歩み寄りを見せていないようです。

手元資金は10月末になくなると言われています。

借金の利息払いは出来るのでしょうか。

アメリカの破産宣告がすぐに起きることは考えにくいですが、どのような過程を経るのでしょうか。

jiji.com 2021年10月6日の記事を引用します。

 「最悪のシナリオの下で、公開市場で取引される米国債の償還や利払いを優先したり、一部の債務返済期日を遅らせたりする選択肢が技術的に検討されていると一部ストラテジストは顧客に伝えている。

  債券で世界最大の市場規模を誇る米国債とその流動性は、国際準備通貨としてのドルのステータスの基礎を成すだけに他の支払い義務より優先する根拠は一層強まる」

これから何が起きるのか分かりませんが、精一杯の努力をしたいものです。

 

米国の分割独立を望むアンケート結果10月2日

藤原直哉 on Twitter: "トランプ支持者の52%、バイデン支持者の41%は米国の分割独立を望んでいる