『投資信託主義』( 藤沢久美 、2008)
筆者は投資信託を窓口で買うことをすすめています。
社会に出てまだお給料も少ない時に 、投資信託を買いに
窓口に出向き、対話をし、 学んでいったからです。
実際に 長年自分のお金で運用してきた 経験が非常に
説得力のある内容となっています。
投資信託初心者におすすめの一冊だと思います。
かなり前ですが、私(チキハ)の母親は銀行で
勧められたままに投資信託を買い、下がりっぱなしでした。
そのような話はよく耳にします。母は、「騙された、損した」
と怒っていました。さて、著者の意見は、下の方にあります。
〈以下一部抜粋・要約〉
どうして日本人は運用をしてこなかったのか
する必要がなかったからに他ならない。 日本の社会保障制度は
国や企業が運用を全て肩代わりする素晴らしい社会主義システムだった 。
ファンドに言い換えれば、国がファンドマネージャーで 、
みんなから預かったお金を国が運用し、社会福祉制度という形で還元してきた 。
しかし景気後退と人口減少そしてグローバル化の流れの中で 、
そのシステムが機能しなくなってきたため、
国も企業も、
そろそろ自己責任でお願いしたいというスタンスに変わってきたのだ。
運用はなぜ必要なのか
資産運用が必要か不必要かといえば全員に必要だ 。
その理由の一つは人生が多様化したからである 。
どんな生き方をしてもいい世の中になると 、自分が
どう生きていくかを自分で決めなければならない。
レールに乗った人にはもれなくお金もついてきたが、
バブル崩壊後は、キャリアや人生のレールも自分でしかなければならないし、
お金も自分で用意しなければならない 。時代が完全に変わったのだ 。
運用の重要性は時間が教えてくれる
金融機関の人は絶対に言ってはいけない言葉だが私は
「騙されたと思って投資を始めてみてください」と言いたい。
少しでも投資を始めておけば10年後に驚きますよ 、
時間は取り返せませんよ、ということは言っておきたい。
3年の経験で投資信託は理解できる
マーケットにはサイクルがあり、 下がることはあっても、
長い目で見ると上がる。 資産分散や時間分散はリスクを抑える効果がある 。
しかし、「長く持てばいいですよ」、「分散したらいいですよ」
と言っても、「 本当に下がったらどうしよう」
と思ってしまうのは、仕方がない 。自分で様々な色々なファンドを持ち、
組み立ててみて初めて、長期では成果が得られることや
分散の必要性が実感できるのだ。
投資の思想
リスクは平等だが リターンは不平等だ 。投資信託を買うと
金銭的損得は購入した全ての投資家が平等に体験するが、
リターンは人によって違ってくる。「 一回損をしてショックを受けた」
というだけの人と 「今回の損を通じて次に損をしないための知識が身についた」
と何かを学べる人では、次のリターンに大きな差が出てくる。
投資信託に限らず、 リスクを取るからには お金だけでなく、
リスクに見合った知識や 智恵というターンを是非獲得したい 。
なにしろ、智恵の複利効果は、 お金の複利効果を上回る。
リスクのないリターンはないがリターンのないリスクも絶対にないのだ。
私(チキハ)の母の時代は、ほとんどの人が銀行さん、
任せだったと思います。
投資を始めるには、心構えと勉強は必要ですね。
筆者も 本の中で言っていますが、 10年ほどで
大きなサイクルが分かるようになるようです 。
リーマンショックの前に大金をつぎ込んだ人は、
その後約5年ほどは地獄のような苦しみだったと思います。
少額で10年学ぶのだと思って参入した人は、そこから
学ぶものはあったかもしれません。
そして、筆者は様々なやり方を試したのちに、
非常にシンプルな運用方法に落ち着いたようです。

投資信託主義 ――時間と資産の正しい法則 (角川oneテーマ21)
- 作者: 藤沢久美
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/05/10
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