ユタカ2イキルオテツダイ

ほんの少しずつ、ゆたかになってゆきましょう

人類はいまだにこんなことをしているの

 『中国が喰いモノにするアフリカを日本が救う』(ムウェルテ・ムルアカ、2015)

 

中国は今までの先進国のやり方(侵略)ではない方法で、アフリカとビジネスを結んでいると聞いたことがあります。

しかしこの本では全く違うことが書かれていました。

著者はコンゴ民主共和国で生まれ2005年に日本国籍を取得しました。

2015年の統計によれば生後1年未満の赤ん坊が1000人あたり死亡する人数は86人、日本はわずか2人です。全世界の平均は34人です。

豊富な資源がアフリカの売りです。

中国の発展にはアフリカの資源を抜きには語れません。

中国がアフリカを侵略しようとをしている、植民地化しようとしているというのです。


<以下一部抜粋・要約>


独裁という社会システム


コンゴは1965年から1997年まで独裁時代が続きました。

独裁者は自分に反発したり抵抗しないようにわざと教育を疎かにして読み書きを覚えさせなかったのです。

彼はヨーロッパ諸国と深い関係を築きました。

コンゴの地下資源を先進国に売ってえた膨大な金がスイスの個人口座に振り込まれました。

一方で国民は貧しい生活を強いられるわけですが、勉強していないから不正を見抜くことができなくなっていました。

世界最貧国と言われるような経済状況、生活水準にもかかわらず、トップが世界トップクラスの金持ち。

その矛盾に気づけず、不正な手口を不審とも思わなくなってしまうのです。

実は、この仕組みを作ったのは、植民地時代の白人です。

独立後も影響力を持ちたい白人は、真面目で勤勉な人間を排除した上で、強欲で言うことを聞く都合の良い人間に権力を与え、利権を独占させました。

結果的に独裁者は、反発する人間、意見に従わない人間を殺し続けるしかなくなります。

何故かと言うと答えは簡単で、手を緩めた瞬間、自分が殺されてしまうから。

恐怖で殺戮を続けるわけです。

コンゴをはじめアフリカ諸国は、独立後も白人が構築した権力メカニズムから逃れられませんでした。

語弊を恐れずに言えば、支配する人間が、白人から黒人に変わっただけで植民地体制は続いていたのです。

今の中国のアフリカ政策が、新植民地主義と海外で非難されていると前にも述べました。

国家の政策としてアフリカの指導者に様々な利権を与えて資源を独占し、個々の中国人は子供から教育の機会を奪うようなシステムのサイドビジネスを手がける……。

中国政府も企業の一個人も全てがつながり、連動する中国の国家的な陰謀--これこそが新植民地主義の形なのではないか。

そう考えてもあながち的外れではないのではないかと思うのです。


アフリカ最大の橋は日本の力


2014年、コンゴ大統領の妹さんから電話がありました。

「この前、完成したばかりの中国製の橋が崩落してしまいました。

調べてみると自動車やトラックに乗せた荷物の重さに耐えきれずに橋が落ちたというのです。

でも、日本がつくった橋は30年経つのにびくともしません。

何が違うんですか?」

「中国では自国内でつくっている橋も落ちるし、道路も陥没する……。

専門家もいないし、橋についての調査や研究もしない。

でも中国ではそれが当たり前なんです。

日本と中国では技術力が全然違うんですよ」

大統領の妹さんが話した30年経つ橋とは、1983年に日本の円借款で建設された「マタディー橋」。

全長722メートルのアフリカ最大の橋で、コンゴの新婚旅行スポットとしても国民に愛されています。

マタディー橋には、歩道があります。水が流れる場所もあります。定期的に専門家による点検やメンテナンスも行われています。

メンテナンスを続ければ、日本の橋は160年間保つといいます。

「ありえない!」と日本の当たり前の技術に、現地の人は目を丸くして驚きます。


私(チキハ)の感想です。

アフリカの情報は日本にほとんど入ってきません。

著者が習った小学校の教科書には、日本人がちょんまげ姿で描かれていました。

私たちのアフリカ人に対するイメージもかなり遅れてそうです。

アフリカの歴史を見ると胸がふさがれるような思いがします。以下のように書かれています。

近世のアフリカ大陸では、現地の人々が動物のように追われました。

奴隷狩りをしたのは、白人だけではありません。

彼らはアフリカ人を言いくるめて手先にして、敵対する民族や部族を争わせ襲わせました。

捕まった人々は、腕や胸に焼印を押されて、手足を鎖でつながれて運ばれました。

その後、アフリカの人々は、植民地化政策で文化も言語も、慣習も……、アイデンティティーをずたずたに引き裂かれました。

その時代が300年から400年もの長い歳月の間行われました。

…… 私はとてもショックを受けました。

日本でみる歴史の登場人物たちはもっと人間らしい。

もしかすると事実は違ったのかもしれないし、隠されているのかもしれません。

著者は日本に中国に対する警戒を怠らないようにと忠告しています。

中国人が日本の土地を買っています。

北海道 では水源地 など、 村ごと買っているところも あります。


人を疑わせ争わせ分断させ、らしさを否定する。

まともな教育を受けさせないシステム。

アメリカなどでよく見かけます。

そんな様子を見るとき、その裏には操作しようとする 誰かがいるのかもしれない、

と考えるようになりました。